.\" Copyright 1990 Gordon Irlam (gordoni@cs.ua.oz.au) .\" Copyright 1992 Rickard E. Faith (faith@cs.unc.edu) .\" Copyright 2000 Colin Watson (cjw44@cam.ac.uk) .\" Do not restrict distribution. .\" May be distributed under the GNU General Public License .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 2001-2021 Yuichi SATO .\" and 2021 Yoichi Chonan, .\" all rights reserved. .\" Translated Sun Feb 11 00:25:28 JST 2001 .\" by Yuichi SATO .\" Updated & Modified Sat May 1 17:54:48 JST 2004 .\" by Yuchis SATO .\" Updated & Modified (util-linux 2.36) Sun Feb 21 09:42:44 JST 2021 .\" by Yuchis SATO .\" and Yoichi Chonan .\" .\" WORD: extra bright 高輝度 .\" WORD: half-brigtness 半輝度 .\" WORD: blink 点滅 .\" WORD: dim 減光 .\" .TH SETTERM 1 "May 2014" util\-linux "User Commands" .SH 名前 setterm \- 端末の属性を設定する .SH 書式 \fBsetterm\fP [options] .SH 説明 \fBsetterm\fP は、指定された端末機能 (terminal capabilities) を呼び出すための文字列を標準出力に出力する。 その際、使用すべき文字列を見つけるために、 可能なかぎり \fIterminfo\fP を参照する。もっとも、一部のオプション (以下で「仮想コンソール専用」と断り書きがあるもの) は、\fBterminfo\fP(5) にある機能と対応していない。その場合は、端末のタイプが "con" か "linux" ならば、指定された機能を PC Minix の仮想コンソールドライバで呼び出すための文字列を出力する。 端末に実装されていないオプションは、無視する。 .SH オプション 引き数にブール値 (\fBon\fP または \fBoff\fP) を取るオプションは、デフォルトでは \fBon\fP になっている (訳注: 現在では、デフォルトが \fBon\fP のものも \fBoff\fP のものもある。たとえば、\fB\-\-bold\fP のデフォルトは、たぶん \fBoff\fP である)。 .P 以下で \fI8\-color\fP と書いてあるところには、\fBblack\fP, \fBred\fP, \fBgreen\fP, \fByellow\fP, \fBblue\fP, \fBmagenta\fP, \fBcyan\fP, \fBwhite\fP が使える。 .P \fI16\-color\fP と書いてあるところには、\fI8\-color\fP と \fBgrey\fP、それに \fBbright\fP を前に付けた \fBred\fP, \fBgreen\fP, \fByellow\fP, \fBblue\fP, \fBmagenta\fP, \fBcyan\fP, \fBwhite\fP が使える。 .P 様々なカラーオプションは、少なくとも仮想端末では、それぞれ独立して設定できる。 ただし、複数のモード (たとえば、\fB\-\-underline\fP と \fB\-\-half\-bright\fP) を同時に設定したときの結果は、ハードウェア次第である。 .PP 指定するかしないかが任意の引き数では、オプションと引き数の間にスペースではなく、'=' (等号) が必要である。たとえば、\-\-option=argument のように (訳注:実際のところ、util\-linux 2.36 では、\fB\-\-clear\fP のような例外もあるが、たいていの場合スペースも使える)。 .TP \fB\-\-appcursorkeys\fP on|off カーソルキーアプリケーションモードを on または off にする。on の場合は、カーソルキーを押したとき、ESC [ A, ESC [ B などの代わりに、ESC O A, ESC O B などが送出される。それが \fBvi\fP ユーザーに対して引き起こしかねない問題については、\fIText\-Terminal\-HOWTO\fP の「vi and Cursor\-Keys」セクションをご覧いただきたい。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-append\fP \fIconsole_number\fP \fB\-\-dump\fP と似ているが、既存のスナップショットファイルを上書きせず、その末尾に追記する。 \fB\-\-dump\fP オプションが指定されていない場合にのみ効果がある。 .TP \fB\-\-background\fP \fI8\-color\fP|default テキストの背景色を設定する。 .TP \fB\-\-blank\fP[=0\-60|force|poke] スクリーンが自動的に消灯されるまでの無活動時間を分単位で指定する (自動消灯には、使用できれば APM を使用する)。引き数を指定しない場合は、消灯状態を返す (どの vt が消灯されたかを返す。消灯されていない vt については、0 を返す)。仮想コンソール専用。 .sp 引き数 \fBforce\fP は、キーが押されても、スクリーンを消灯したままにする。 (訳注: \fB\-\-blank\fP=force を指定すると、仮想コンソールは即座に消灯する。 そして、どのキーを押しても消灯は解除されない。) .sp 引き数 \fBpoke\fP は、スクリーンの消灯を解除する。(訳注: \fB\-\-blank\fP=force で消灯したとき、それを解除するのに \fBsetterm \-\-blank\fP=poke を使用する。) .RS .IP "[\fB訳注\fP]" 8 \fB\-\-blank\fP に引き数を付けなかったときの動作がよく分からない。 訳者のところでは、消灯しているはずの仮想コンソールが他にあっても、その番号を示さず、常に 0 が返ってくる。1 つのコンピュータに複数の端末がつながっていた時代の話なのだろうか。 つまり、vt とは、virtual terminal ではなく、video terminal のことなのか。 .RE .TP \fB\-\-bfreq\fP[=\fInumber\fP] ベルの周波数をヘルツ (Hz) で指定する。引き数が指定されていない場合は、デフォルトの \fB0\fP になる。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-blength\fP[=0\-2000] ベルの継続時間をミリ秒単位で設定する。引き数が指定されていない場合は、デフォルトの \fB0\fP になる。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-blink\fP on|off 点滅モードを on または off にする。 仮想コンソール以外では、\fB\-\-blink off\fP にすると、(太字・半輝度・点滅・反転といった) 全ての属性が off になる。 .TP \fB\-\-bold\fP on|off 太字 (高輝度) モードを on または off にする。仮想コンソール以外では、\fB\-\-bold off\fP にすると (太字・半輝度・点滅・反転といった) 全ての属性が off になる。 .TP \fB\-\-clear\fP[=all|rest] 引き数なし、または引き数 \fBall\fP が指定された場合は、\fBclear\fP(1) コマンドとまったく同じように、スクリーン全体をクリアしてカーソルをホームポジションに移動する。 引き数 \fBrest\fP が指定された場合は、現在のカーソル位置からスクリーンの最下行までをクリアする。 .TP \fB\-\-clrtabs\fP[=\fItab1 tab2 tab3\fP ...] 指定された水平方向のカーソル位置にあるタブストップを解除する。範囲は \fB1\-160\fP である。引き数が指定されない場合は、全てのタブストップを解除する。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-cursor\fP on|off 端末のカーソルを on または off にする。 .TP \fB\-\-default\fP 端末のレンダリングオプションをデフォルト値に戻す。 .TP \fB\-\-dump\fP[=\fIconsole_number\fP] 番号で指定された仮想コンソールのスナップショットを \fB\-\-file\fP オプションで指定されたファイルに書き出す。ファイルの内容は上書きされる。 デフォルトのファイルは \fIscreen.dump\fP である。引き数が指定されない場合は、現在使用中の仮想コンソールをダンプする。 このオプションは、\fB\-\-append\fP を無効にする。 .TP \fB\-\-file\fP \fIfilename\fP 同じコマンドライン上に \fB\-\-dump\fP や \fB\-\-append\fP オプションがある場合に、それに使うスナップショットファイルの名前を設定する。 このオプションが指定されない場合、デフォルトのファイル名はカレントディレクトリの \fIscreen.dump\fP である。システムの規定する長さの上限を越えたパス名は、切り詰められる。 linux/limits.h の PATH_MAX の値を参照すること。 .TP \fB\-\-foreground\fP \fI8\-color\fP|default テキストの前景色を設定する。 .TP \fB\-\-half\-bright\fP on|off 減光 (半輝度) モードを on または off にする。仮想コンソール以外では、\fB\-\-half\-bright off\fP にすると、(太字・半輝度・点滅・反転といった) 全ての属性が off になる。 .TP \fB\-\-hbcolor\fP [bright] \fI16\-color\fP 半輝度の文字の色を設定する (訳注: 減光する代わりに、色を変更する端末で使用)。 .TP \fB\-\-initialize\fP 端末の初期化文字列を出力する。 通常、それは、端末のレンダリングオプションを設定し、その他の属性をデフォルトの値にする。 .TP \fB\-\-inversescreen\fP on|off スクリーン全体で前景色と背景色を入れ換える。 .TP \fB\-\-linewrap\fP on|off 行がいっぱいになったとき、端末上の表示を次の行に続けるか否かを設定する。 .TP \fB\-\-msg\fP on|off カーネルの \fBprintk\fP() によるメッセージをコンソールに送出するか否かを設定する。仮想コンソール専用。 .RS .IP "[\fB訳注\fP]" 8 コンソール出力の閾値であるロギングレベルが、現在いくつに設定されているかを知るには、 \fBcat /proc/sys/kernel/printk\fP を実行すればよい。 その出力の一番左側の数値が現在のロギングレベルである。 各数値の意味については、\fBsyslog\fP(2) に説明がある。次の項目 \fB\-\-msglevel\fP も参照。 .RE .TP \fB\-\-msglevel\fP 0\-8 カーネルの \fBprintk()\fP によるメッセージに対する、コンソールのロギングレベルを設定する。 ここで設定したレベルよりも高い重大度を持つ (等しいレベルは含まない) 全てのメッセージが、コンソールに表示されることになる (訳注: レベルの数値が小さいほど、重大度は高い)。 従って、ロギングレベルを \fB8\fP に設定すると、全てのカーネルメッセージが表示される。 なお、ロギングレベル \fB0\fP は \fB\-\-msg on\fP と同じ効果がある。カーネルメッセージのロギングのインターフェースとしては、 \fBklogd\fP(8) の方が使いやすいかもしれない。 .sp 仮想コンソール専用。 .RS .IP "[\fB訳注\fP]" 8 ロギングレベルは、0 から 7 まであり、それぞれ emerg, alert, crit, err, warning, notice, info, debug という重大度に対応する。詳しくは、\fBsyslog\fP(2) の \fBThe log level\fP セクションなどを参照していただきたい。 .RE .TP \fB\-\-powerdown\fP[=0\-60] VESA パワーダウンまでの時間を分単位で設定する。引き数を指定しない場合は、デフォルトの \fB0\fP になる (すなわち、パワーダウンを行わない)。この時間が経過すると、 コンソールが消灯している場合は vsync サスペンドモードになり、モニタがサスペンドモードの場合はパワーダウンモードになる。 .TP \fB\-\-powersave\fP \fImode\fP 以下の値が \fImode\fP に指定できる。 .RS .TP \fBvsync|on\fP モニタを VESA vsync サスペンドモードにする。 .TP \fBhsync\fP モニタを VESA hsync サスペンドモードにする。 .TP \fBpowerdown\fP モニタを VESA パワーダウンモードにする。 .TP \fBoff\fP モニタの VESA パワーセーブ機能を off にする。 .RE .TP \fB\-\-regtabs\fP[=1\-160] 全てのタブストップを解除して、通常のタブストップパターンを設定する。 タブ位置は、指定した数値ごとに置かれる。引き数を指定しない場合は、デフォルトの \fB8\fP が使用される。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-repeat\fP on|off キーボードリピートを on または off にする。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-reset\fP 端末リセット文字列を出力する。通常、それは、端末を起動時の状態にリセットする。 .TP \fB\-\-resize\fP 行と列の最大の大きさを見積もって、端末のサイズをリセットする。 これは、実際の大きさとカーネルの端末ドライバーがうまく噛み合っていないとき、役に立つ。 特筆すべき使用例は、シリアルコンソールの場合だ。そこでは \fBioctl\fP(3p) を使わず、バイトストリームとブレークのみを使用しているのである。 .TP \fB\-\-reverse\fP on|off ビデオの反転モードを on または off にする。仮想コンソール以外では、\fB\-\-reverse off\fP にすると、(太字・半輝度・点滅・反転といった) 全ての属性が off になる。 .TP \fB\-\-store\fP 端末の現在のレンダリングオプション (前景色と背景色) を、デフォルトにリセットする際に使用する値として保存する。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-tabs\fP[=\fItab1 tab2 tab3\fP ...] 指定された水平方向のカーソル位置にタブストップを設定する。範囲は \fB1\-160\fP である。引き数を指定しない場合は、現在のタブストップの設定を表示する。 .TP \fB\-\-term\fP \fIterminal_name\fP 環境変数 TERM を上書きする。 .TP \fB\-\-ulcolor\fP [bright] \fI16\-color\fP 下線を引かれる文字の色を設定する (訳注: 下線を引く代わりに、色を変更する端末で使用)。仮想コンソール専用。 .TP \fB\-\-underline\fP on|off 下線モードを on または off にする。 .TP \fB\-\-version\fP バージョン情報を表示して終了する。 .TP \fB\-\-help\fP ヘルプを表示して終了する。 .SH 互換性 バージョン 2.25 以来、\fBsetterm\fP は、昔からのハイフン 1 つの長いオプション (たとえば \fB\-help\fP) に加えて、ハイフン 2 つの長いオプション (たとえば \fB\-\-help\fP) をサポートしている。スクリプト内では、後方互換のため、ハイフン 2 つよりハイフン 1 つを使う方がよい。現在のところ、ハイフン 1 つの互換性を止める計画はなく、またそうする正当な理由もない。 .SH バグ Minix 版と Linux 版の違いが、この文書には書かれていない。 .SH 関連項目 \fBstty\fP(1), \fBtput\fP(1), \fBtty\fP(4), \fBterminfo\fP(5) .SH 入手方法 この setterm コマンドは、util\-linux パッケージの一部であり、Linux Kernel Archive から入手できる。