.\" Copyright (C) 1998-2004 Miquel van Smoorenburg. .\" .\" This program is free software; you can redistribute it and/or modify .\" it under the terms of the GNU General Public License as published by .\" the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or .\" (at your option) any later version. .\" .\" This program is distributed in the hope that it will be useful, .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the .\" GNU General Public License for more details. .\" .\" You should have received a copy of the GNU General Public License .\" along with this program; if not, write to the Free Software .\" Foundation, Inc., 51 Franklin Street, Fifth Floor, Boston, MA 02110-1301 USA .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This page is originally in the SysVinit package. .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 1997 Kazuyoshi Furutaka .\" and 2000 Kentaro Shirakata .\" and 2020 Yuichi Sato, Yoichi Chonan, .\" all right reserved. .\" Translated Fri 14 Feb 1997 .\" by Kazuyoshi Furutaka .\" Updated Wed 3 May 2000 .\" by Kentaro Shirakata .\" Updated & Modified (util-linux 2.35.2) Tue Oct 6 11:15:00 JST 2020 .\" by Yuichi SATO .\" and Yoichi Chonan .\" .TH "LAST, LASTB" 1 "October 2013" util\-linux "User Commands" .SH 名前 last, lastb \- 最近ログインしたユーザを一覧表示する .SH 書式 \fBlast\fP [options] [\fIusername\fP...] [\fItty\fP...] .br \fBlastb\fP [options] [\fIusername\fP...] [\fItty\fP...] .SH 説明 \fBlast\fP は、\fI/var/log/wtmp\fP ファイルを (または、\fB\-f\fP オプションによって指定されたファイルを) 遡って調べて、そのファイルが作成されて以来ログインした (そして、ログアウトした) すべてのユーザのリストを表示する。一つ以上のユーザ名 (\fIusername\fP) や端末名 (\fItty\fP) を引き数として渡すこともでき、 その場合は、そうした引き数にマッチした記録 (entry) のみを表示することになる。\fItty\fP の名前は、短縮することができる。たとえば、\fBlast 0\fP は、 \fBlast tty0\fP と同じである。 .PP SIGINT シグナルや SIGQUIT シグナルを受け取ると (前者は、割り込みキー、普通は Control\-C を押すと発生する)、\fBlast\fP は、ログファイルの検索結果をやったところまで表示し、SIGINT シグナルの場合は、そこで動作を打ち切る。 .IP "[\fB訳注\fP]" 8 原文は「SIGINT シグナルの場合は、そこで terminate する」と言っている。terminate というのは、この場合、単に終了するだけで、中断した後、実行を再開したり、core を吐いたりといった、それ以上のことはしないということだろう。SIGQUIT シグナルの場合はどうなるのだろうか。 .PP システムをリブートするたびに、疑似ユーザの \fBreboot\fP がログインする。 従って、\fBlast reboot\fP を実行すると、 ログファイルが作成されて以来のすべてのリブートの記録を表示することになる。 .PP \fBlastb\fP は、\fBlast\fP とよく似ている。ただし、こちらがデフォルトで表示するのは、 ファイル \fI/var/log/btmp\fP に記録されたログである。 そこには、ログインに失敗したすべての試みが記録されている。 .SH オプション .TP \fB\-a\fP,\fB \-\-hostlast\fP ホスト名を最後の列 (column) に表示する。\fB\-\-dns\fP オプションと組み合わせて使うと便利である。 .TP \fB\-d\fP,\fB \-\-dns\fP ローカル以外のログインに対して、Linux はそのリモートホストのホスト名だけでなく、IP アドレスも記録する。このオプションは、IP アドレスを変換して、ホスト名に戻す。 .TP \fB\-f\fP,\fB \-\-file \fP\fIfile\fP \fI/var/log/wtmp\fP の代わりに特定のファイル \fIfile\fP を使用せよと \fBlast\fP に命ずる。\fB\-\-file\fP オプションは複数回指定することができ、 その場合は、指定されたすべてのファイルが処理されることになる。 .TP \fB\-F\fP,\fB \-\-fulltimes\fP ログイン、ログアウトの詳細な日時を表示する。 .TP \fB\-i\fP,\fB \-\-ip\fP \fB\-\-dns\fP と似ているが、ホストの名前ではなく、IP アドレスの方を表示する。 .TP \fB\-\fP\fInumber\fP .TQ \fB\-n\fP,\fB \-\-limit \fP\fInumber\fP 何行表示すべきかを \fBlast\fP に指示する。 .TP \fB\-p\fP,\fB \-\-present \fP\fItime\fP 指定された日時にログインしていたユーザを表示する。このオプションは、\fB\-\-since\fP と \fB\-\-until\fP オプションに同じ日時 \fItime\fP を指定して、一緒に使うのとほぼ同じである。 .TP \fB\-R\fP,\fB \-\-nohostname\fP ホスト名のフィールドを表示しない。 .TP \fB\-s\fP,\fB \-\-since \fP\fItime\fP 指定した日時 \fItime\fP 以後のログイン状態を表示する。このオプションは、 たとえば、特定の日時に誰がログインしていたかを手早く突き止めたいときに、便利である。 \fB\-\-until\fP と組み合わせて使うことが多い。 .TP \fB\-t\fP,\fB \-\-until \fP\fItime\fP 指定した日時 \fItime\fP までのログイン状態を表示する。 .TP \fB\-\-time\-format\fP\fI format\fP 出力するタイムスタンプの書式を \fIformat\fP にする。\fIformat\fP は、\fInotime\fP, \fIshort\fP, \fIfull\fP, \fIiso\fP の内のどれかである。\fInotime\fP はタイムスタンプを全く表示せず、\fIshort\fP はデフォルト、\fIfull\fP は \fB\-\-fulltimes\fP オプションと同じである。\fIiso\fP は ISO\-8601 のフォーマットでタイムスタンプを表示する。ISO フォーマットは、タイムゾーンの情報を含んでいるので、 ログのプリントアウトがシステムの外部で調べられるときに、望ましい形式になる。 .TP \fB\-w\fP,\fB \-\-fullnames\fP 省略しないユーザ名とドメイン名を出力に表示する。 .TP \fB\-x\fP,\fB \-\-system\fP システムのシャットダウンとランレベル変更の記録を表示する。 .SH 日時の書式 引き数に \fItime\fP を取るオプションは、以下の書式を解する。 .TS l2 l. YYYYMMDDhhmmss YYYY\-MM\-DD hh:mm:ss YYYY\-MM\-DD hh:mm (秒は 00 になる) YYYY\-MM\-DD (時刻は 00:00:00 になる) hh:mm:ss (日付は今日になる) hh:mm (日付は今日、秒は 00) now yesterday (時刻は 00:00:00 になる) today (時刻は 00:00:00 になる) tomorrow (時刻は 00:00:00 になる) +5min \-5days .TE .SH 注記 \fIwtmp\fP や \fIbtmp\fP といったファイルは、存在しないことがある。 システムは、そうしたファイルが存在するときにだけ、情報をそこに記録するのである。 このへんのことは、個々のサイトにおける設定の問題である。 もし、こうしたファイルを使用したいのなら、\fBtouch\fP のような単純なコマンドでそれを作成すればよい (たとえば、\fItouch /var/log/wtmp\fP で)。 .SH ファイル /var/log/wtmp .br /var/log/btmp .SH 作者 Miquel van Smoorenburg .SH 入手方法 この last コマンドは、util\-linux パッケージの一部であり、Linux Kernel Archive から入手できる。 .SH 関連項目 \fBlogin\fP(1), \fBwtmp\fP(5), \fBinit\fP(8), \fBshutdown\fP(8)