ENCRYPT(3) | Linux Programmer's Manual | ENCRYPT(3) |
名前¶
encrypt, setkey, encrypt_r, setkey_r - 64 ビットのメッセージを暗号化する
書式¶
#define _XOPEN_SOURCE /* feature_test_macros(7) 参照 */ #include <unistd.h>
void encrypt(char block[64], int edflag); #define _XOPEN_SOURCE /* feature_test_macros(7) 参照 */ #include <stdlib.h>
void setkey(const char *key);
#define _GNU_SOURCE /* feature_test_macros(7) 参照 */ #include <crypt.h>
void setkey_r(const char *key, struct crypt_data *data); void encrypt_r(char *block, int edflag, struct crypt_data *data);
これらの関数は -lcrypt でリンクする必要がある。
説明¶
これらの関数は、64 ビットのメッセージの暗号化と復号化を行う。 setkey() 関数は encrypt() によって使われる暗号鍵を設定する。 ここで使われる引数 key は 64 バイトの配列であり、各バイトは数値 1 または 0 である。 n=8*i-1 に対するバイト key[n] は無視されるので、 有効な暗号鍵の長さは 56 ビットになる。
encrypt() 関数は、 edflag が 0 の場合は暗号化し、1 が渡された場合は復号化するというように、 渡されたバッファーを変更する。 引数 key と同様に、 block はエンコードされた実際の値を表現するビットの配列である。 結果はこの同じ配列を使って返される。
これら 2 つの関数はリエントラント (reentrant) ではない。 つまり暗号鍵データは静的な領域に保存される。 関数 setkey_r() と encrypt_r() はリエントラントなバージョンである。 これらの関数は暗号鍵データを保持するために以下のような構造体を使う。
struct crypt_data {
char keysched[16 * 8];
char sb0[32768];
char sb1[32768];
char sb2[32768];
char sb3[32768];
char crypt_3_buf[14];
char current_salt[2];
long current_saltbits;
int direction;
int initialized; };
setkey_r() を呼び出す前には、 data->initialized を 0 に設定すること。
返り値¶
これらの関数は、なにも値を返さない。
エラー¶
上記の関数を呼び出す前に errno を 0 に設定すること。 成功した場合、この値は変更されない。
- ENOSYS
- (例えば以前のアメリカ合衆国輸出規制などにより) この関数が提供されていない。
バージョン¶
Because they employ the DES block cipher, which is no longer considered secure, crypt(), crypt_r(), setkey(), and setkey_r() were removed in glibc 2.28. Applications should switch to a modern cryptography library, such as libgcrypt.
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
encrypt(), setkey() | Thread safety | MT-Unsafe race:crypt |
encrypt_r(), setkey_r() | Thread safety | MT-Safe |
準拠¶
encrypt(), setkey(): POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, SUS, SVr4.
関数 encrypt_r() と setkey_r() は GNU による拡張である。
注意¶
Availability in glibc¶
crypt(3) を参照。
Features in glibc¶
glibc 2.2 では、これらの関数は DES アルゴリズムを使う。
例¶
#define _XOPEN_SOURCE #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <unistd.h> #include <crypt.h>
int main(void) {
char key[64];
char orig[9] = "eggplant";
char buf[64];
char txt[9];
for (int i = 0; i < 64; i++) {
key[i] = rand() & 1;
}
for (int i = 0; i < 8; i++) {
for (int j = 0; j < 8; j++) {
buf[i * 8 + j] = orig[i] >> j & 1;
}
setkey(key);
}
printf("Before encrypting: %s\n", orig);
encrypt(buf, 0);
for (int i = 0; i < 8; i++) {
for (int j = 0, txt[i] = '\0'; j < 8; j++) {
txt[i] |= buf[i * 8 + j] << j;
}
txt[8] = '\0';
}
printf("After encrypting: %s\n", txt);
encrypt(buf, 1);
for (int i = 0; i < 8; i++) {
for (int j = 0, txt[i] = '\0'; j < 8; j++) {
txt[i] |= buf[i * 8 + j] << j;
}
txt[8] = '\0';
}
printf("After decrypting: %s\n", txt);
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-11-01 |