ARGZ_ADD(3) | Linux Programmer's Manual | ARGZ_ADD(3) |
名前¶
argz_add, argz_add_sep, argz_append, argz_count, argz_create, argz_create_sep, argz_delete, argz_extract, argz_insert, argz_next, argz_replace, argz_stringify - argz リストを操作するための関数群
書式¶
#include <argz.h> error_t argz_add(char **argz, size_t *argz_len, const char *str); error_t argz_add_sep(char **argz, size_t *argz_len, const char *str, int delim); error_t argz_append(char **argz, size_t *argz_len, const char *buf, size_t buf_len); size_t argz_count(const char *argz, size_t argz_len); error_t argz_create(char * const argv[], char **argz, size_t *argz_len); error_t argz_create_sep(const char *str, int sep, char **argz, size_t *argz_len); void argz_delete(char **argz, size_t *argz_len, char *entry); void argz_extract(const char *argz, size_t argz_len, char **argv); error_t argz_insert(char **argz, size_t *argz_len, char *before, const char *entry); char *argz_next(const char *argz, size_t argz_len, const char *entry); error_t argz_replace(char **argz, size_t *argz_len, const char *str, const char *with, unsigned int *replace_count); void argz_stringify(char *argz, size_t len, int sep);
説明¶
これらの関数は glibc 固有である。
argz vector は長さ情報付きの文字バッファーへのポインターである。 文字バッファーでは、複数の文字列がヌルバイト ('\0') で区切られており、 文字列の配列として解釈されるようになっている。 長さが 0 でない場合、バッファーの最後のバイトはヌルバイトでなければならない。
これらの関数は argz vector を操作するためのものである。 ペア (NULL,0) は argz vector であり、逆に言えば 長さ 0 の argz vectorはヌルポインターを持たなければならない。 空でない argz vector の割り当ては malloc(3) を使って行われる。したがって、argz vector を解放するのに free(3) を使うことができる。
argz_add() は、文字列 str を配列 *argz の末尾に追加し、 *argz と *argz_len を更新する。
argz_add_sep() も同様の動作をするが、区切り文字 delim にしたがって文字列 str を複数の文字列に分割する点が異なる。 例えば、区切り文字 ':' を指定して、UNIX サーチパスに対して この関数を使うことができるだろう。
argz_append() は argz vector (buf, buf_len) の後ろに (*argz, *argz_len) を付け加え、 *argz と *argz_len を更新する。 (したがって、 *argz_len は buf_len だけ増加する。)
argz_count() は (argz, argz_len) 内の文字列の数を数える。実際にはヌルバイト ('\0') の数を数えている。
argz_create() は、UNIX 流の引き数ベクトルである ((char *) 0 で終端される) argv を、argz vector (*argz, *argz_len) に変換する。
argz_create_sep() は、ヌル終端された文字列 str を区切り文字 sep が現れる毎に分割しながら、argz vector (*argz, *argz_len) に変換する。
argz_delete() は、 entry で指し示された文字列を argz vector (*argz, *argz_len) から削除し、 *argz と *argz_len を更新する。
argz_extract() は argz_create() の反対の操作を行う。argz vector (argz, argz_len) を調べ、 argv から始まる配列をサブ文字列へのポインターで埋めていき、 一番最後に NULL を入れて、UNIX 流の argv ベクトルを作成する。 配列 argv は argz_count(argz,argz_len) + 1 個のポインターを収容できる空間を持っていなければならない。
argz_insert() は argz_delete() の反対の操作を行う。argz vector (*argz, *argz_len) の位置 before に引き数 entry を挿入し、 *argz と *argz_len を更新する。 before が NULL の場合、 entry は末尾に挿入される。
argz_next() は argz vector を順番に調べるための関数である。 entry が NULL の場合、最初のエントリーを返す。 そうでない場合、次のエントリーを返す。 次のエントリーがない場合、NULL を返す。
argz_replace() は、 str をすべて with で置き換える (必要に応じて argz の再割り当てを行う)。 replace_count が NULL でない場合、 *replace_count を置き換えを行った数だけ増やす。
argz_stringify() は argz_create_sep() の反対の操作を行う。 末尾の ヌルバイト以外の全てのヌルバイト ('\0') を sep で置き換えて、 argz vector を通常の文字列に変換する。
返り値¶
メモリー割り当てを行う argz 関数群はすべて error_t 型の返り値を持つ。 成功した場合は 0 を返し、割り当てエラーが発生した場合は ENOMEM を返す。
準拠¶
これらの関数は GNU による拡張である。注意して使用すること。
バグ¶
ヌルバイトで終端されていない argz vector を使用した場合、 segmentation fault を起こすかもしれない。
関連項目¶
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2014-05-28 |