SCALB(3) | Linux Programmer's Manual | SCALB(3) |
名前¶
scalb, scalbf, scalbl - 浮動小数点数に整数である基数の累乗を掛ける (廃止予定)
書式¶
#include <math.h>
double scalb(double x, double
exp);
float scalbf(float x, float exp);
long double scalbl(long double x, long double
exp);
-lm でリンクする。
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
scalb():
scalbf(), scalbl():
説明¶
これらの関数は最初の引き数 x に FLT_RADIX の exp 乗を掛ける (FLT_RADIX はおそらく 2 である)。つまり、以下の式の値を返す。
x * FLT_RADIX ** exp
FLT_RADIX の定義は <float.h> をインクルードすることで得られる。
返り値¶
成功すると、これらの関数は x * FLT_RADIX ** exp を返す。
x か exp が NaN の場合、NaN が返される。
x が正の無限大 (負の無限大) で exp が負の無限大でない場合、正の無限大 (負の無限大) が返される。
x が +0 (-0) で exp が正の無限大でない場合、+0 (-0) が返される。
x がゼロで exp が正の無限大の場合、領域エラー (domain error) が発生し、 NaN が返される。
x が無限大で exp が負の無限大の場合、領域エラー (domain error) が発生し、 NaN が返される。
結果がオーバーフローする場合、 範囲エラー (range error) が発生し、 各関数はそれぞれ HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL を返す。符号は x と同じになる。
結果がアンダーフローする場合、範囲エラーが発生し、 各関数は 0 を返す。符号は x と同じになる。
エラー¶
これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7) を参照のこと。
以下のエラーが発生する可能性がある。
- 領域エラー (domain error): x が 0 で exp が正の無限大、または x が正の無限大で exp が負の無限大
- 不正 (invalid) 浮動小数点例外 (FE_INVALID) が上がる。
- 範囲エラー (range error)、オーバーフローの場合
- オーバーフロー浮動小数点例外 (FE_OVERFLOW) が上がる。
- 範囲エラー (range error)、アンダーフローの場合
- アンダーフロー浮動小数点例外 (FE_UNDERFLOW) が上がる。
これらの関数は errno を設定しない。
準拠¶
scalb() は POSIX.1-2001 で規定されているが、廃止予定とされている。 POSIX.1-2008 では scalb() の仕様は削除されており、代わりに scalbln(3), scalblnf(3), scalblnl(3) の使用が推奨されている。 scalb() 関数は 4.3BSD に由来する。
scalbf() と scalbl() は標準化されていない。 それにも関わらず、 scalbf() はいくつかの他のシステムに存在する。
関連項目¶
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2013-03-23 |