xxd - 16
進ダンプを作成したり、元に戻したり。
xxd -h[elp]
xxd [options] [infile [outfile]]
xxd -r[evert] [options] [infile [outfile]]
ファイルや標準入力から
16
進ダンプを作成します。
16
進ダンプから元のバイナリに戻すこともできます。
uuencode(1) や
uudecode(1)
のように、バイナリデータを、メールに貼り付け可能な
ASCII 形式に変換できた
り、標準出力に出力することもできます。
さらに、バイナリファイルにパッチを当てるという使い方もできます。
オプション¶
infile
を指定しなかった場合は、標準入力が読み込まれます。
infile に `
-'
を指定した場合も、標準入力から読み込まれます。
outfile
を指定しなかった
(または `
-' を指定した)
場合は、標準出力に出力されます。
引数の解釈処理は適当なので注意してください。パラメータを取らない引数は
最初の一文字だけチェックされます。
引数の文字とパラメータの間のスペースは省略可能です。
パラメータは 10 進数、16
進数、8
進数で指定できます。
-c8 、
-c 8 、
-c 010 、
-cols 8
はすべて同じ意味です。
- -a | -autoskip
- オートスキップ:
連続した nul
行を一つの '*'
で置き換える。
- -b | -bits
- ビット (2進数)
ダンプ。 1
オクテットが "1" と
"0" の 8
文字で出力されます。
各行の行頭には 16
進数の行番号が表示されます。
行末には ascii (または ebcdic)
で表した場合の文字が表示されます。
このモードでは
-r、-p、-i
は機能しません。
- -c cols | -cols cols
- 一行 <cols>
オクテットで出力する。標準設定は
16 (-i: 12, -ps: 30, -b: 6)。最大 256。
- -E | -EBCDIC
- 右端に出力される文字のエンコーディングを
ASCII から EBCDIC
に変更する。 16
進ダンプの出力形式は変更されません。
-r、-p、-i
が同時に指定された場合は何の効果もありません。
- -g bytes | -groupsize bytes
- 出力を <bytes> バイト (2
文字の 16
進数、または 8
文字の 2 進数)
ごとにスペースで区切りま
す。
区切らずに出力するには
-g 0
を指定してください。
<Bytes> の標準設定は
2 です。2
進ダンプの場合は 1
です。
ポストスクリプト形式やインクルード形式で出力するときは、このオプションは使わ
れません。
- -h | -help
- コマンドの説明を出力して終了する。変換は実行されません。
- -i | -include
- C
インクルードファイル形式で出力します。入力ファイルの名前が付けられた静的配
列の定義が出力されます。標準入力の場合は定義の中身だけ出力されます。
- -l len | -len len
- <len>
オクテットだけ出力する。
- -p | -ps | -postscript | -plain
- ポストスクリプト形式の
16
進ダンプを出力する。別名
プレーン 16
進ダンプ。
- -r | -revert
- 元に戻す: 16
進ダンプからバイナリ形式に変換
(またはパッチ)
します。
ファイルへ出力する場合、出力先のファイルは切り詰めされません。
行番号や特定の書式がないプレーン
16
進ダンプを読み込む場合は、
-r -p
を指定してください。空白と改行は無視されます。
- -seek offset
- -r
の後で使われた場合:
16
進ダンプを出力するファイルの位置に
<offset> を加える。
- -s [+][-]seek
- infile の <seek> バイト目
(絶対位置、または相対位置)
から開始する。 +
は、現在の標準入力の位置から相対的な位置を示します
(標準入力から読み込むときのみ意味があります)。
-
は、入力の終わりから
の文字数を示します (
+
と同時に指定した場合は、現在の標準入力の位置から
手前の位置を示します)。
-s
引数を指定しなかった場合は、現在のファイル位置から開始されます。
- -u
- 16
進数の表記に大文字を使います。指定がない場合は小文字で出力されます。
- -v | -version
- バージョンを表示します。
xxd -r
では行番号の評価に関しての暗黙のルールがいくつかあります。
出力ファイルがシーク可能なら、各行の行番号が順番通りに並んでなくても構いませ
ん。位置が飛んでいても重なっていても大丈夫です。その場合、次の位置に移動する
ために
lseek(2)
が使われます。
出力ファイルがシーク不可なら、「隙間」だけが処理可能です。隙間は
null バイト
で埋められます。
xxd -r
は不正な入力をエラーにしません。ゴミは静かに読み飛ばされます。
16
進ダンプを編集するときは注意が必要です。
xxd -r は必要な桁 (-c
引数参照) だけ 16
進データを読み込んで、行の残りを無視しま
す。つまり、ascii
(または ebcdic)
を示している列への変更は無視されます。
xxd -r -p でプレーン形式
(ポストスクリプト形式)
の 16
進ダンプを元に戻す場
合は、列の数は影響しません。
2 桁の 16
進数と認識できるものはすべて変換されます。
% xxd -i file
と
% xxd -i < file
の結果は違います。注意してください。
xxd -s +seek と
xxd -s seek,
の違いは、lseek(2)
を使って入力を
"巻き戻す"
かどうかです。'+'
が意味を持つ
のは、入力が標準入力で、xxd
が起動されたときに標準入力のファイル位置がファイ
ルの先頭ではなかった場合です。
以下の例が分かりやすいかもしれません
(もっと混乱するかも!)...
`cat'
が既に標準入力を終わりまで読んでいるので、読む前に標準入力を巻き戻す必
要がある。
% sh -c "cat > plain_copy; xxd -s 0 > hex_copy" < file
ファイル位置 0x480 (=1024+128)
前方から 16
進ダンプする。 `+' は
「現在地からの相対位置」を意味するので、dd
が 1k
処理した後から、さら
に `128' 進めます。
% sh -c "dd of=plain_snippet bs=1k count=1; xxd -s +128 >
hex_snippet" < file
ファイル位置 0x100 ( = 1024-768)
から 16 進ダンプする。
% sh -c "dd of=plain_snippet bs=1k count=1; xxd -s +-768 >
hex_snippet" < file
このような使い方はあまりしませんし、`+'
を使うこともほとんどないでしょう。
-s
を使うときはいつでも、strace(1)
や truss(1) を使って、xxd
の働きをチェッ
クすることをお勧めします。
ファイル
の最初の三行 (16 進数で
0x30 バイト)
以降を出力する。
% xxd -s 0x30 file
ファイル
の最後から三行 (16
進数で 0x30 バイト)
を出力する。
% xxd -s -0x30 file
120 バイトを、平文 16
進ダンプ形式で一行に
20
オクテットずつ出力する。
% xxd -l 120 -ps -c 20 xxd.1
2e54482058584420312022417567757374203139
39362220224d616e75616c207061676520666f72
20787864220a2e5c220a2e5c222032317374204d
617920313939360a2e5c22204d616e2070616765
20617574686f723a0a2e5c2220202020546f6e79
204e7567656e74203c746f6e79407363746e7567
この man
ページの先頭から 120
バイトを一行に 12
オクテットずつ 16
進ダンプす る。
% xxd -l 120 -c 12 xxd.1
0000000: 2e54 4820 5858 4420 3120 2241 .TH XXD 1 "A
000000c: 7567 7573 7420 3139 3936 2220 ugust 1996"
0000018: 224d 616e 7561 6c20 7061 6765 "Manual page
0000024: 2066 6f72 2078 7864 220a 2e5c for xxd"..\
0000030: 220a 2e5c 2220 3231 7374 204d "..\" 21st M
000003c: 6179 2031 3939 360a 2e5c 2220 ay 1996..\"
0000048: 4d61 6e20 7061 6765 2061 7574 Man page aut
0000054: 686f 723a 0a2e 5c22 2020 2020 hor:..\"
0000060: 546f 6e79 204e 7567 656e 7420 Tony Nugent
000006c: 3c74 6f6e 7940 7363 746e 7567 <tony@sctnug
xxd.1
の日付部分だけを出力する。
% xxd -s 0x36 -l 13 -c 13 xxd.1
0000036: 3231 7374 204d 6179 2031 3939 36 21st May 1996
input_file を
output_file
にコピーし、先頭に 0x00
を 100
バイト分付け加える。
% xxd input_file | xxd -r -s 100 > output_file
xxd.1 の日付を修正する。
% echo "0000037: 3574 68" | xxd -r - xxd.1
% xxd -s 0x36 -l 13 -c 13 xxd.1
0000036: 3235 7468 204d 6179 2031 3939 36 25th May 1996
中身がすべて 0x00 の 65537
バイトのファイルを作成する。
ただし、最後のバイトだけは
'A' (hex 0x41)。
% echo "010000: 41" | xxd -r > file
作成したファイルをオートスキップを使って
16 進ダンプする。
% xxd -a -c 12 file
0000000: 0000 0000 0000 0000 0000 0000 ............
*
000fffc: 0000 0000 40 ....A
一文字の 'A' からなる 1
バイトのファイルを作成する。
'-r -s'
の後に指定した数値がファイル中の行番号に加算され、結果、余計なバ
イトが飛ばされる。
% echo "010000: 41" | xxd -r -s -0x10000 > file
vim(1) の中から xxd
をフィルタとして実行し、
マークされた `a' から `z'
までの領域を 16
進ダンプする。
:'a,'z!xxd
vim(1) の中から xxd
をフィルタとして実行し、
マークされた `a' から `z'
までの領域をバイナリに戻す。
:'a,'z!xxd -r
vim(1) の中から xxd
をフィルタとして実行し、
16
進ダンプされた行を元に戻す。戻したい行にカーソルを移動して:
!!xxd -r
シリアル行から一文字読み込む
% xxd -c1 < /dev/term/b &
% stty < /dev/term/b -echo -opost -isig -icanon min 1
% echo -n foo > /dev/term/b
返り値¶
以下のエラー値が返ります:
- 0
- エラーなし。
- -1
- 操作がサポートされていない
( xxd -r -i
はまだ不可です)。
- 1
- 引数の解釈に関するエラー。
- 2
- 入力ファイルに関する問題。
- 3
- 出力ファイルに関する問題。
- 4,5
- 指定された位置へシークできなかった。
関連項目¶
uuencode(1),
uudecode(1),
patch(1)
この奇妙なツールは作者が使いやすいように作られています。
自己責任で使ってください。ファイルをコピーし、それを調べ、ウィザードたれ。
バージョン¶
このマニュアルは xxd
バージョン 1.7
について説明しています。
(c) 1990-1997 by Juergen Weigert
<jnweiger@informatik.uni-erlangen.de>
私の功績として自由に配布してください。
儲かったら教えてください。
損しても知りません。
マニュアルは Tony Nugent
<tony@sctnugen.ppp.gu.edu.au> <T.Nugent@sct.gu.edu.au>
によって書かれ、 Bram Moolenaar
が少し変更を加え、
Juergen Weigert
が編集しました。