GETGRENT_R(3) | Linux Programmer's Manual | GETGRENT_R(3) |
名前¶
getgrent_r, fgetgrent_r - グループファイルエントリーをリエントラント (reentrant) に取り出す
書式¶
#include <grp.h>
int getgrent_r(struct group *gbuf, char *buf, size_t buflen, struct group **gbufp);
int fgetgrent_r(FILE *stream, struct group *gbuf, char *buf, size_t buflen, struct group **gbufp);
getgrent_r(): _GNU_SOURCE
fgetgrent_r():
glibc 2.19 以降:
_DEFAULT_SOURCE
glibc 2.19 以前:
_SVID_SOURCE
説明¶
関数 getgrent_r() と fgetgrent_r() は getgrent(3) と fgetgrent(3) のリエントラント版である。 前者は、 setgrent(3) によって初期化されたストリームから、次のグループファイルのエントリーを読み込む。 後者は、 stream から次のグループファイルのエントリーを読み込む。
group 構造体は <grp.h> で以下のように定義されている:
struct group {
char *gr_name; /* グループ名 */
char *gr_passwd; /* グループのパスワード */
gid_t gr_gid; /* グループ ID */
char **gr_mem; /* グループのメンバ名へのポインター
の配列 (配列はヌルで終端する) */ };
この構造体のフィールドの詳細は group(5) を参照のこと。
リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインターを返す。 この静的な格納領域には、更にグループ名・パスワード・ メンバへのポインターが含まれる。 ここで説明されているリエントラントな関数は、 呼び出し側から提供されるバッファーにグループ名など全てを返す。 最初の引数として struct group を保持できるバッファー gbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファー buf がある。 これらの関数の結果 (ストリームから読み込まれた struct group) は、 提供されたバッファー *gbuf に格納され、この struct group へのポインターは *gbufp に返される。
返り値¶
成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 *gbufp は struct group へのポインターとなる。 エラーの場合、これらの関数はエラー値を返し、 *gbufp は NULL になる。
エラー¶
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
getgrent_r() | Thread safety | MT-Unsafe race:grent locale |
fgetgrent_r() | Thread safety | MT-Safe |
In the above table, grent in race:grent signifies that if any of the functions setgrent(3), getgrent(3), endgrent(3), or getgrent_r() are used in parallel in different threads of a program, then data races could occur.
準拠¶
これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数 getpwnam_r(3) の形式に似せてある。 他のシステムでは以下のプロトタイプが使われている。
struct group *getgrent_r(struct group *grp, char *buf,
int buflen);
より良いものでは、以下のようになっている。
int getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen,
FILE **gr_fp);
注意¶
関数 getgrent_r() は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッドと共有しているためである。
例¶
#define _GNU_SOURCE #include <grp.h> #include <stdio.h> #include <stdint.h> #include <stdlib.h> #define BUFLEN 4096 int main(void) {
struct group grp;
struct group *grpp;
char buf[BUFLEN];
int i;
setgrent();
while (1) {
i = getgrent_r(&grp, buf, sizeof(buf), &grpp);
if (i)
break;
printf("%s (%jd):", grpp->gr_name, (intmax_t) grpp->gr_gid);
for (int j = 0; ; j++) {
if (grpp->gr_mem[j] == NULL)
break;
printf(" %s", grpp->gr_mem[j]);
}
printf("\n");
}
endgrent();
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
fgetgrent(3), getgrent(3), getgrgid(3), getgrnam(3), putgrent(3), group(5)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-11-01 | GNU |