ISGREATER(3) | Linux Programmer's Manual | ISGREATER(3) |
名前¶
isgreater, isgreaterequal, isless, islessequal, islessgreater, isunordered - NaN に対して例外を発生せずに、浮動小数点数の大小関係の判定を行う
書式¶
#include <math.h>
int isgreater(x, y);
int isgreaterequal(x, y);
int isless(x, y);
int islessequal(x, y);
int islessgreater(x, y);
int isunordered(x, y);
-lm でリンクする。
ここで説明する全ての関数:
説明¶
(<、「小なり」のような) 通常の関係操作 (relational operations) は、 オペランドの一方が NaN の場合には失敗する。 これは例外の原因になる。 これを避けるため、C99 では以下のリストに示すマクロを定義している。
これらのマクロでは、引数を 1 回だけ評価することが保証されている。 引数には実数の浮動小数点数型を指定しなければならない。 (注意: これらのマクロの引数に整数値を渡さないこと。なぜなら 整数値の引数は実数の浮動小数点型に変換されないからである。)
- isgreater()
- (x) > (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。
- isgreaterequal()
- (x) >= (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。
- isless()
- (x) < (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。
- islessequal()
- (x) <= (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。
- islessgreater()
- (x) < (y) || (x) > (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。 このマクロは x != y と等価ではない。 なぜなら、この評価式は x または y が NaN の場合に true となるためである。
- isunordered()
- 引数が unordered かどうか、つまり引数の少なくとも一方が NaN かどうか を判定する。
返り値¶
isunordered() 以外のマクロは関係操作の結果を返す。 一方の引数が NaN の場合、これらのマクロは 0 を返す。
isunordered() は x か y が NaN の場合 1 を、 それ以外の場合 0 を返す。
エラー¶
エラーは発生しない。
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
isgreater(), isgreaterequal(), isless(), islessequal(), islessgreater(), isunordered() | Thread safety | MT-Safe |
準拠¶
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, C99.
注意¶
これらの関数は全てのハードウェアでサポートされているわけではない。 サポートされていない場合は、マクロでエミュレートされる。 エミュレートされる場合は、性能上での不利となる。 NaN について心配しなくて構わない場合は、 これらの関数を使わないこと。
関連項目¶
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2017-09-15 |