PTHREAD_SETAFFINITY_NP(3) | Linux Programmer's Manual | PTHREAD_SETAFFINITY_NP(3) |
名前¶
pthread_setaffinity_np, pthread_getaffinity_np - スレッドの CPU affinity の設定/取得を行う
書式¶
#define _GNU_SOURCE /* See feature_test_macros(7) */ #include <pthread.h>
int pthread_setaffinity_np(pthread_t thread, size_t cpusetsize, const cpu_set_t *cpuset); int pthread_getaffinity_np(pthread_t thread, size_t cpusetsize, cpu_set_t *cpuset);
-pthread でコンパイルしてリンクする。
説明¶
pthread_setaffinity_np() 関数は、スレッド thread の CPU affinity マスクに cpuset が指す CPU 集合を設定する。呼び出しが成功し、 そのスレッドが現在 cpuset で指定された CPU 上でが実行されていない 場合は、スレッドは指定された CPU のいずれかに移動される。
pthread_getaffinity_np() 関数は、スレッド thread の CPU affinity マスクを、cpuset が指すバッファーに入れて返す。
CPU affinity マスクの詳細については、 sched_setaffinity(2) を参照してほしい。 CPU 集合の操作や取得を行う際に利用できるマクロ群の説明は CPU_SET(3) を参照してほしい。
引数 cpusetsize は cpuset が指すバッファーの長さ (バイト単位) で ある。通常は、この引数には sizeof(cpu_set_t) を指定する (CPU_SET(3) に書かれているマクロを使って CPU 集合を動的に 割り当てている場合には、別の値になることもある)。
返り値¶
成功すると、これらの関数は 0 を返す。 エラーの場合、0 以外のエラー番号を返す。
エラー¶
- EFAULT
- 指定されたメモリーアドレスが無効である。
- EINVAL
- (pthread_setaffinity_np()) affinity ビットマスク mask に、 その時点でシステム上に物理的に存在して、かつそのスレッドに対して許可 されているプロセッサが一つも含まれていない。 スレッドに対してどのプロセッサの利用が許可されるかは、cpuset(7) で 説明されている "cpuset" 機構に適用される制限に基づいて決まる。
- EINVAL
- (pthread_setaffinity_np()) cpuset が、カーネルがサポートする CPU 集合に含まれない CPU を指定していた。(カーネルの設定オプション CONFIG_NR_CPUS により、CPU 集合を表現するのに使われるカーネルの データ型がサポートする CPU 集合の範囲が定義される。)
- EINVAL
- (pthread_getaffinity_np()) cpusetsize がカーネルが使用する affinity マスクの大きさよりも小さい。
- ESRCH
- ID が thread のスレッドが見つからなかった。
バージョン¶
これらの関数は glibc バージョン 2.3.4 以降で提供されている。
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
pthread_setaffinity_np(), pthread_getaffinity_np() | Thread safety | MT-Safe |
準拠¶
これらの関数は非標準の GNU による拡張である。 そのため、名前に "_np" (nonportable; 移植性がない) という接尾辞が 付いている。
注意¶
pthread_setaffinity_np() を呼び出した後、 そのスレッドが実際に実行される CPU 集合は、 cpuset 引数で指定された集合と システムに実際に存在する CPU 集合の共通部分になる。 また、 cpuset(7) で説明されている "cpuset" 機構が使われている場合 には、そのスレッドが実行される CPU 集合がシステムによってさらに制限 される場合がある。そのスレッドが実行される実際の CPU 集合に対する これらの制限は、カーネルにより黙って適用される。
これらの関数は、システムコール sched_setaffinity(2) と sched_getaffinity(2) を使って実装されている。
(このバージョンだけであるが) glibc 2.3.3 では、 これらの関数は cpusetsize 引数を持っていなかった。 内部で呼ばれるシステムコールに渡される CPU セットの大きさは 常に sizeof(cpu_set_t) であった。
pthread_create(3) で作成される新しいスレッドは、 作成者の CPU affinity マスクを継承する。
例¶
以下のプログラムでは、メインスレッドは pthread_setaffinity_np() を使って自分の CPU affinity マスクに CPU 0 から 7 が含まれるように設定し (システム上には 0 から 7 に対応する CPU が全て存在するとは限らない)、 その後で pthread_getaffinity_np() を使って スレッドに実際に設定された CPU affinity マスクを確認している。
#define _GNU_SOURCE #include <pthread.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <errno.h> #define handle_error_en(en, msg) \
do { errno = en; perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); } while (0) int main(int argc, char *argv[]) {
int s;
cpu_set_t cpuset;
pthread_t thread;
thread = pthread_self();
/* Set affinity mask to include CPUs 0 to 7 */
CPU_ZERO(&cpuset);
for (int j = 0; j < 8; j++)
CPU_SET(j, &cpuset);
s = pthread_setaffinity_np(thread, sizeof(cpuset), &cpuset);
if (s != 0)
handle_error_en(s, "pthread_setaffinity_np");
/* Check the actual affinity mask assigned to the thread */
s = pthread_getaffinity_np(thread, sizeof(cpuset), &cpuset);
if (s != 0)
handle_error_en(s, "pthread_getaffinity_np");
printf("Set returned by pthread_getaffinity_np() contained:\n");
for (int j = 0; j < CPU_SETSIZE; j++)
if (CPU_ISSET(j, &cpuset))
printf(" CPU %d\n", j);
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
sched_setaffinity(2), CPU_SET(3), pthread_attr_setaffinity_np(3), pthread_self(3), sched_getcpu(3), cpuset(7), pthreads(7), sched(7)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-11-01 | Linux |