GETPWENT_R(3) | Linux Programmer's Manual | GETPWENT_R(3) |
名前¶
getpwent_r, fgetpwent_r - パスワードファイルのエントリーを リエントラントで取り出す
書式¶
#include <pwd.h>
int getpwent_r(struct passwd *pwbuf, char *buf, size_t buflen, struct passwd **pwbufp);
int fgetpwent_r(FILE *stream, struct passwd *pwbuf, char *buf, size_t buflen, struct passwd **pwbufp);
getpwent_r(),
glibc 2.19 以降:
_DEFAULT_SOURCE
glibc 2.19 以前:
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
fgetpwent_r():
glibc 2.19 以降:
_DEFAULT_SOURCE
glibc 2.19 以前:
_SVID_SOURCE
説明¶
関数 getpwent_r() と fgetpwent_r() は getpwent(3) と fgetpwent(3) のリエントラント (reentrant) 版である。 前者は、 setpwent(3) によって初期化されたストリームから、次のパスワードエントリーを読み込む。 後者は、 stream から次のパスワードエントリーを読み込む。
passwd 構造体は、<pwd.h> で以下のように定義されている:
struct passwd {
char *pw_name; /* ユーザー名 */
char *pw_passwd; /* ユーザーのパスワード */
uid_t pw_uid; /* ユーザー ID */
gid_t pw_gid; /* グループ ID */
char *pw_gecos; /* ユーザー情報 */
char *pw_dir; /* ホームディレクトリ */
char *pw_shell; /* シェルプログラム */ };
この構造体のフィールドの詳細は passwd(5) を参照のこと。
リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインターを返す。 この静的な格納領域には、更にユーザー名・パスワード・gecos フィールド・ ホームディレクトリ・シェルへのポインターが含まれる。 ここで説明されているリエントラント版の関数は、 呼び出し側から提供されるバッファーにユーザー名など全てを返す。 最初の引数として struct passwd を保持できるバッファー pwbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファー buf がある。 これらの関数の結果 (ストリームから読み込まれた struct passwd) は、 提供されたバッファー *pwbuf に格納され、この struct passwd へのポインターは *pwbufp に返される。
返り値¶
成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 *pwbufp は struct passwd へのポインターとなる。 エラーの場合、これらの関数はエラー値を返し、 *pwbufp は NULL になる。
エラー¶
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
getpwent_r() | Thread safety | MT-Unsafe race:pwent locale |
fgetpwent_r() | Thread safety | MT-Safe |
In the above table, pwent in race:pwent signifies that if any of the functions setpwent(), getpwent(), endpwent(), or getpwent_r() are used in parallel in different threads of a program, then data races could occur.
準拠¶
これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数 getpwnam_r(3) の形式に似せてある。 他のシステムでは以下のプロトタイプが使われている。
struct passwd * getpwent_r(struct passwd *pwd, char *buf, int buflen);
より良いものでは、以下のようになっている。
int getpwent_r(struct passwd *pwd, char *buf, int buflen,
FILE **pw_fp);
注意¶
関数 getpwent_r() は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッドと共有しているためである。
例¶
#define _GNU_SOURCE #include <pwd.h> #include <stdio.h> #include <stdint.h> #define BUFLEN 4096 int main(void) {
struct passwd pw;
struct passwd *pwp;
char buf[BUFLEN];
int i;
setpwent();
while (1) {
i = getpwent_r(&pw, buf, sizeof(buf), &pwp);
if (i)
break;
printf("%s (%jd)\tHOME %s\tSHELL %s\n", pwp->pw_name,
(intmax_t) pwp->pw_uid, pwp->pw_dir, pwp->pw_shell);
}
endpwent();
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
fgetpwent(3), getpw(3), getpwent(3), getpwnam(3), getpwuid(3), putpwent(3), passwd(5)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-11-01 | GNU |