DRAND48(3) | Linux Programmer's Manual | DRAND48(3) |
名前¶
drand48, erand48, lrand48, nrand48, mrand48, jrand48, srand48, seed48, lcong48 - 一様分布する疑似乱数を生成する関数
書式¶
#include <stdlib.h>
double drand48(void);
double erand48(unsigned short xsubi[3]);
long lrand48(void);
long nrand48(unsigned short xsubi[3]);
long mrand48(void);
long jrand48(unsigned short xsubi[3]);
void srand48(long seedval);
unsigned short *seed48(unsigned short seed16v[3]);
void lcong48(unsigned short param[7]);
All functions shown above: _XOPEN_SOURCE
|| /* Glibc since 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
|| /* Glibc versions <= 2.19: */ _SVID_SOURCE
説明¶
これらの関数は線形合同アルゴリズムと 48ビット整数演算を用いて 疑似乱数を生成する。
関数 drand48() と erand48() は、区間 [0.0, 1.0) で 一様分布する非負の倍精度浮動小数点実数値を返す。
関数 lrand48() と nrand48() は、区間 [0, 2^31) で一様分布する非負のロング整数を返す。
関数 mrand48() と jrand48() は、区間 [-2^31, 2^31) で一様分布する符号付きロング整数を返す。
関数 srand48(), seed48(), lcong48() は初期化関数 である。 関数 drand48(), lrand48(), mrand48() を 使用する前に、これらの初期化関数のいずれかを呼ぶべきである。 関数 erand48(), nrand48(), jrand48() は初めに 初期化関数を呼ぶことを必要としない。
ここで説明しているすべての関数は 48ビットの整数の シーケンス (Xi) を生成することで 機能している。生成方法は以下の線形合同の式による。
Xn+1 = (aXn + c) mod m,
ここで n >= 0 である。 パラメーターが m = 2^48 であるため、48ビット整数演算が行われている。 lcong48() が呼ばれていない場合、a と c は以下の式で与えられる。
a = 0x5DEECE66D c = 0xB
関数 drand48(), erand48(), lrand48(), nrand48(), mrand48(), jrand48() で返される値は次のようにして計算される。 はじめに、次の48ビットの Xi が計算される。 そして、返すべきデータの型に依存した適切な ビット数が Xi の上位ビットからコピーされる。 最後に、この値を返り値に変換する。
関数 drand48(), lrand48(), mrand48() は 最後に生成された48ビットの Xi を内部バッファーに格納する。 配列の形の引数 xsubi に個々の Xi の値を 格納できるような領域を確保することを、 関数 erand48(), nrand48(), jrand48() は、 呼び出し側のプログラムに要求する。 これらの関数は、はじめてそれらの関数を呼ぶ前に Xi の初期値を配列に 代入することで初期化される。
初期化関数 srand48() は、Xi の 上位32ビットを引数 seedval に設定する。 下位の16ビットは、適当に決められた値である0x330Eに設定される。
初期化関数 seed48() は、Xi の値を、 配列の形をした引数である seed16v の中で指定された 48ビットの値に設定する。 Xi の前の値は内部バッファーにコピーされ、このバッファーへのポインターが seed48() によって返される。
初期化関数 lcong48() は使用者が Xi, a, c の 初期値を指定するための関数である。 配列の形をした引数の要素はそれぞれ、param[0-2] は Xi を、 param[3-5] は a を、param[6] は c を指定するもの である。 lcong48() が呼ばれた後で、 srand48() か seed48() を呼ぶと、前述の a と c の 標準値が再び設定される。
属性¶
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値 |
drand48(), erand48(), lrand48(), nrand48(), mrand48(), jrand48(), srand48(), seed48(), lcong48() | Thread safety | MT-Unsafe race:drand48 |
上記の関数は、 乱数生成に使用する状態情報をグローバルに保持する。 そのため、 これらの関数はスレッドセーフではない。
準拠¶
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, SVr4.
関連項目¶
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-11-01 |