timidity(1) | General Commands Manual | timidity(1) |
名前¶
TiMidity++ - MIDI-to-WAVE変換およびプレーヤー
書式¶
timidity [options] filename [...]
説明¶
TiMidity++ は,標準 MIDI
ファイル(*.mid),RCP
ファイル(*.rcp, *.r36, *.g18,
*.g36)あるいは Module
ファイル(*.mod)を,RIFF WAVE
形式等
のオーディオファイルへ変換するコンバータです。各種
MIDI ファイルからデ
ィジタルオーディオデータを生成するために,Gravis
Ulstarsound 互換の patch
ファイル,あるいは
AWE32/64 の SFX,SF2
ファイルなどを使用します。
TiMidity++
によって生成されたデータは,更に加工するためにファイル
に格納したり,オーディオデバイスを使ってリアルタイムに演奏したりするこ
とができます。
リアルタイム演奏時には,KAR
ファイルや WRD
ファイルなどを読み込んで,歌
詞を表示することもできます。
ファイル名¶
filename には,以下の表記が使用可能です。
- -
- 標準入力から読み込んだ MIDI ファイルを演奏します。
- path/filename
- ディスク上のファイルを演奏します。
- dir:directory
-
- directory/
- directory
内すべてのファイルを演奏します。例えば,
% timidity some/where/
として起動すると,some/where/ ディレクトリ内すべてのファイルが演 奏されます。
- アーカイブファイル
- アーカイブファイルから
MIDI
ファイルを展開しながら演奏します。アーカイ
ブファイル中の個々のファイルを指定するには,アーカイブファイル名の後に
続けて `#'
を記述し,その後に続けてアーカイブ中のファイル名を指定します。
`#' の後は UNIX shell
の正規表現のパターンになっています。ただし,UNIX
shell
の正規表現とは少し異なり,大文字/小文字は区別されません。
ここで,\xHH という表現は,16 進数 `HH' で表した ASCII 文字列に マッチします。例:
- % timidity file.zip#file.mid
- file.zip 中の file.mid ファイルを演奏します。
- % timidity file.lzh#*.mid
- file.lzh 中の *.mid にマッチするファイルを演奏します。
- % timidity file.tgz#*
- これは file.tgz と等価です。
これらは自前で展開していますので,Windows でもこれらのファイルを読むこ とができます。
TiMidity++ が内部で展開できるアーカイブ形式は以下の通りです。
- tar ファイル(*.tar)
- tar+gzip ファイル(*.tar.gz, *.tgz)
- zip ファイル(*.zip)
- lzh ファイル(*.lzh *.lha)
- (lh0,lh1,lh2,lh3,lh4,lh5,lh6,lz4,lzs,lz5 に対応)
なお,これ以外でも,拡張子に対してその展開コマンドがコンパイル時に定義 されている場合,TiMidity++ は指定された展開コマンドにファイルをパ イプで流しこみ,展開します。
- news://news-server[:port]/Message-ID
-
- news://news-server[:port]/newsgroup[/first-last]
- news-server
に保存されている MIDI
ファイルを演奏します。
newsgroup
を指定すると,そのグループに投稿されている
MIDI ファイ
ルを演奏します。
news://* で指定したファイルは MIME の Multi Part を認識し,そこに 投稿されている MIDI ファイルを展開して演奏することができます。また通常 のファイルであっても,*.mime という拡張子で保存するか,あるいはファイル 名に mime: というプレフィックスを指定して入力すると MIME を認識し ます。現在,以下のフォーマットが認識できます。
- uu-encoded file
- begin
という文字から始まっている行が必要 - base64 encoded
- Content-Transfer-Encoding: base64
が必要 - quoted-string
- Content-Transfer-Encoding: quoted-string
が必要 - Mac BinHex format
- HQX のみ対応
- % timidity http://www.goice.co.jp/member/mo/dist/midi/impromptu.mid
- ネットワークを介して MIDI ファイルを演奏します。
同様に,*.cfg ファイル内で URL を指定すればリモートのパッチファイルを利 用することもできます。
入力ファイル¶
TiMidity++ が自分で認識し,演奏することができる MIDI ファイルの形 式は以下の通りです。
- .mid, .rmi (Format 0, 1, 2)
- 標準 MIDI ファイル(SMF)です。
- .rcp, .r36, .g18, .g36 (レコンポーザ形式)
- カモンミュージック社製レコンポーザ形式ファイルです。
- .mfi (MFi Version 3 - i モード用メロディ形式)
- 最近流行りの携帯電話の着メロも再生できます。
- .kar (Karaoke フォーマット)
- Lyric Meta Event と同じように,歌詞が表示されます。
- .mod, mod.* (Module ファイル)
- .wrd (WRD 形式)
オプション¶
TiMidity++ では次のコマンドラインオプションが使用可能です。
- -A [n][,m](a)
-
- --amplification=n
-
- --drumpower=m
-
- --[no-]volume-compensation
- 全体の音量を n%
にします。デフォルトでは
70 です。大きな値
を指定するほど大きな音になります。また,通常音色の音量とドラム音色の音
量の比率(ドラムパワー)を
m%
にします。デフォルトでは
100 で
す。それぞれ,0
(無音)から 800
までの値が有効です。
さらに,-a オプションに `a' の文字を付加するか, --volume-compensation オプションを指定することにより,音量自動 補正機能を有効にします。この機能は,MIDI データの MAINVOLUME を最大音量 (0x7f)に正規化するもので,できるだけダイナミックレンジを稼ぐ,曲間での 音量格差を小さくする,などの目的で使用されます。例:
- -a, --[no-]anti-alias
- アンチエイリアシングを有効にします。-s オプションで低いサンプリ ングレートを指定したときに,折り返し雑音と呼ばれる不自然な成分が発生す ることがあります。-a オプションで起動することで,この不自然な成 分を取り除くことができます。
- -B n,m, --buffer-fragments=n,m
- 音源にデータを書き込む時の分割数(バッファフラグメント) n およびバ ッファサイズ 2^m を指定します。n は,0 から 1000 までの値が有効です。フラグメントの数を大きくすると,プロセス が多数動いている時の音切れが減りますが,早送り,巻き戻し,ボリューム制 御などに対する反応は遲くなります。また,状態表示も同期が取れなくなりま す。n を 0 にすると,できるだけ大きなフラグメントの値を取り ます。このオプションは Linux,FreeBSD,Windows のみで有効です。
- -C n, --control-ratio=n
- 制御レートを指定します。TiMidity++ では,エンベロープやトレモロな どの音量計算を 1 サンプルごとに行うのではなく,複数のサンプルをまとめて 計算することで高速化を図っています。すなわち,n サンプルごとに, エンベロープやトレモロの音量が再計算されています。n の値を小さく すればするほど音質が良くなりますが,その分 CPU パワーを必要とします。 n には 1 から 255 までの値を指定することができます。 デフォルトでは 1 msec に相当するサンプル数となっています。
- -c file, --config-file=file
- TiMidity++ の設定ファイル file を読み込みます。 TiMidity++ のデフォルトの設定ファイルを読み込んだ後,file が読み込まれます。
- -D n, --drum-channel=n
- n チャンネル目をドラムチャンネルにします。-D -n の ように指定すると, n チャンネル目をドラムではなく,メロディチャン ネルにすることできます。n に 0 を与えると,すべてのチャンネ ルがメロディチャンネルになります。
- -d dir, --interface-path=dir
- ダイナミックリンクインタフェースモジュールがインストールされているディ レクトリを dir で指定します。
- -E mode, --ext=mode
- TiMidity++ シーケンサの拡張モードを指定します(複数指定可)。以下の mode が指定できます。
- w/W, --[no-]mod-wheel
- モジュレーションホイール制御を有効/無効にします。
- p/P, --[no-]portamento
- ポルタメント制御を有効/無効にします。
- v/V, --[no-]vibrato
- NRPN ビブラート制御を有効/無効にします。
- s/S, --[no-]ch-pressure
- チャンネルプレッシャー制御を有効/無効にします。
- e/E, --[no-]mod-envelope
- モジュレーションエンベロープを有効/無効にします。
- t/T, --[no-]trace-text-meta
- すべての/特定のテキストメタイベントをトレースします。
- o/O, --[no-]overlap-voice
- 同一音の重なったボイスを許します/許しません(前の音は消音されます)。
- z/Z, --[no-]temper-control
- MIDI Tuning Standard の音律制御を有効/無効にします。
- mHH, --default-mid=HH
- デフォルトマニュファクチュア
ID を 2 桁の16進数 HH
で指定します。
このとき,HH を GS/gs,XG/xg,GM/gm にすること で,それぞれ 41,43,7e を指定したことになります。
入力ファイルから音源を自動的に認識できないような場合には,このパラメー タでデフォルトの ID を指定することができます。 - MHH, --system-mid=HH
- システムマニュファクチュア
ID を 2 桁の16進数 HH
で指定します。
このオプションで指定されたマニュファクチュア ID は固定され,入力ファイ ルからのマニュファクチュア ID は無視されます。 - bn, --default-bank=n
- パッチのデフォルトのバンクを n にします。この設定は,MIDI の Bank select メッセージにより変更されます。
- Bn, --force-bank=n
- -Eb と異なり,すべてのチャンネルのパッチのバンクを常に n にします。n を省略するとデフォルトの動作になります。
- in[/m], --default-program=n[/m]
- デフォルトのプログラム番号を
n
にします。デフォルトでは
n は
0(通常はピアノ)となっています。
また,n の後に /m を付けると,チャンネル m のデフォル トのプログラム番号を指定することができます。/m を省略した場合には, 全チャンネルに対する指定となります。 - In[/m], --force-program=n[/m]
- プログラム番号を常に
n
にします。この設定は,MIDI
の Program change
メッセージを受け取っても変更されません。
また,n の後に /m を付けると,チャンネル m のプログラ ム番号を指定することができます。/m を省略した場合には,全チャンネ ルに対する指定となります。 - F args
- エフェクトオプションです。以下の args が指定できます。
- delay=(d|l|r|b)[,msec], --delay=(d|l|r|b)[,msec]
- イヤホンで聞いた時の音の臨場感を出すようにします。
- d, 0
- ディレイを無効(Disable)にします(デフォルト)。
- l, 1
- 左(Left)ディレイを有効にします。主に左から音が聞こえてきます。
- r, 2
- 右(Right)ディレイを有効にします。主に右から音が聞こえてきます。
- b, 3
- 左右(Both)ローテートを有効にします。ときどき,左右の音場が変化します。
msec は左右のディレイタイムを指定するオプションです。
- d, 0
- コーラスを無効(Disable)にします。
- n, 1
- 標準的(Normal)な MIDI コーラス制御を有効にします(デフォルト)。
- s, 2
- サラウンド(Surround)コーラスを有効にします。
level はコーラスレベル 0 から 127 を指定するオプショ ンです。
- reverb=(d|n|g)[,level], --reverb=(d|n|g)[,level]
- reverb=(f|G)[,level,scaleroom,offsetroom,predelay]
- --reverb=(f|G)[,level,scaleroom,offsetroom,predelay]
- d, 0
- MIDI リバーブ制御を無効(Disable)にします。
- n, 1
- 標準的(Normal)な MIDI リバーブ制御を有効にします。
- g, 2
- グローバル(Global)リバーブを有効にします。
- f, 3
- Freeverb MIDI リバーブ制御を有効にします(デフォルト)。
- G, 4
- グローバル Freeverb MIDI リバーブ制御を有効にします。
level
はリバーブレベル 0
から 127
を指定するオプショ
ンです。
Freeverbを有効にした場合には,追加のオプションとして
scaleroom, offsetroom および
predelay
を指定できます。
scaleroom と offsetroom
は以下のリバーブのルームサイズの
計算に対する変数です
roomsize = C * scaleroom + offsetroom
ここで C
はリバーブのキャラクタを表します。
predelay
はリバーブのプリディレイに対する倍率を百分率で指定しま
す。
いずれのパラメータも省略可能です。
デフォルトはそれぞれ
0.28,0.7,100 です。
- ns=n, --noise-shaping=n
- n 次ノイズシェーピングフィルタを有効にします。ディケイでの歪みが 改善されますが,ノイズが高域にシフトし聴感上のノイズも増えます。8 ビッ ト線形符号化のとき,n には 0 から 4 までの値を指定す ることができます。0 のときフィルタは機能せず,4 のとき最大 の効き方となります。デフォルトでは 4 です。16 ビット線形符号化の とき,n には 0 から 4 までの値を指定することができま す。値によって,下記の動作になります。デフォルトでは 4 です。
- 0
- ノイズシェーピングなし
- 1
- 従来のノイズシェーピング
- 2
- 過負荷風ソフトクリッピング + 新ノイズシェーピング
- 3
- 真空管風ソフトクリッピング + 新ノイズシェーピング
- 4
- 新ノイズシェーピング
- -e, --evil
- TiMidity++ のスレッドプライオリティを上げます。Windows のみで有効 です。このオプションを有効にすると,TiMidity++ 以外のプログラムが ほとんど動作できなくなる evil モードに入ります。
- -F, --[no-]fast-panning
- ファーストパンを指定します。このオプションを指定すると,Note ON のまま の状態で Midi control change 10: Panning が有効になります。デフォルトで はすぐには変化しないで,音量の再計算が必要になったときに変化します。改 良版ではトグルオプションになっています。
- -f, --[no-]fast-decay
- ファーストディケイを指定します。このオプションを指定にすると,エンベロ ープの変化時間が半分になり高速に動作します。ただし,音の立ち上がりとリ リース時間が短くなってしまいます。
- -g sec, --spectrogram=sec
- サウンドスペクトログラムを表示する Window を開きます。このオプションは X Window System がサポートされている環境のみで動作します。サウンドスペ クトログラムは声紋のようなもので,スペクトラムの時間変化を表現したもの です。
- -H n, --force-keysig=n
- 調号の数を指定します。n が正の場合は♯(シャープ)の数,n が 負の場合は♭(フラット)の数のキーに移調ながら,MIDI ファイルを演奏します。 n には -7 から 7 までの値を指定することができます。 例えば,n に -1 を与えると,いかなる調性の MIDI ファイルで あっても,♭(フラット)が 1 個のヘ長調あるいはニ短調に移調しながら演奏す るので,演奏しやすい調性で楽器を練習するときの伴奏などに使うと便利です。
- -h, --help
- TiMidity++ のオプションの簡単な説明を表示します。
- -i mode, --interface=mode
-
- --realtime-priority=n
-
- --sequencer-ports=n
- ユーザインタフェースを指定します。環境によって利用可能なインタフェー
スが異なります。
ALSA シーケンサインタフェースでは,別途 --realtime-priority オプションにより,リアルタイム・プライオリティを指定できます。また, --sequencer-ports オプションにより,シーケンサのポート数を指定 できます。デフォルトでは 4 です。
以下の mode が存在します。
- -id
- dumb インタフェース
- -in
- ncurses インタフェース
- -is
- S-Lang インタフェース
- -ia
- X Athena Widget インタフェース
- -ik
- Tcl/Tk インタフェース
- -im
- Motif インタフェース
- -iT
- vt100 インタフェース
- -ie
- Emacs インタフェース
Emacs 上から ``M-x timidity'' により起動されます。 - -ii
- skin インタフェース
環境変数 TIMIDITY_SKIN に,使用する skin のパス(圧縮状態でもよい) を指定しておいてください。 - -ig
- GTK+ インタフェース
- -ir
- MIDI サーバインタフェース
- -iA
- ALSA シーケンサインタフェース
- -iW
- Windows シンセサイザインタフェース
- -iw
- Windows GUI インタフェース
- -iP
- PortMIDI シンセサイザインタフェース
- -ip
- UMP インタフェース
- インタフェースオプション
- 上記オプションに続けて,以下の文字列を追加することができます(複数指定化)。
- v, --verbose=n
- 冗長表示のレベルを累積的に上げます。
- q, --quiet=n
- 冗長表示のレベルを累積的に下げます。
- t, --[no-]trace
- トレース表示を on/off します(トグル)。
- l, --[no-]loop
- ループ再生します(インタフェースによっては無視されます)。
- r, --[no-]random
- 再生前にファイルリスト順をランダムにします。
- s, --[no-]sort
- 再生前にファイルリスト順をソートします。
- D, --[no-]background
- TiMidity++ をバックグラウンドでデーモン化します(alsaseq のみ)。
- -j, --[no-]realtime-load
- このオプションを有効にすると,演奏しながらパッチファイルを読み込みます。
- -K n, --adjust-key=n
- n 半音単位でキーを調節(移調)します。n には -24 から 24 までの値を指定することができます。
- -k msec, --voice-queue=msec
- ボイスを減少させるオーディオキュータイムを指定します。
- -L path, --patch-path=path
- サーチパスに path を追加します。patch ファイル,設定ファイル, MIDI ファイルなどは,このサーチパスに従って探索されます。最後に加えられ たディレクトリは最初に探索されます。ただし,このサーチパスに関係なく, カレントディレクトリがいつも最初に探索されるので注意すること。
- -M name, --pcm-file=name
- 演奏する PCM ファイル名(*.wav または *.aiff)を指定します。name に auto を指定すると,*.mid.wav または *.mid.aiff を演奏します。 name に none を指定すると,この機能を無効にします(デフォル ト)。
- -m msec, --decay-time=msec
- サステインしたノートがディケイされるまでの最大時間を指定します。
- -N n, --interpolation=n
- 補完パラメータを指定します。-N オプションの挙動は -EFresamp オプション指定に依存します。
- cspline, lagrange
- 4 点補完を指定します。デフォルトでは有効です。
- newton
- n 次のニュートン補完を指定します。n には 1 から 57 までの奇数を指定することができます。
- gauss
- n+1 点ガウス風補完を指定します。n には 1 から 34 までの整数を指定することができます。デフォルトでは 25 で す。
オーディオキューが 99% 以下のときは,線形補完が使われます。
- -O mode, --output-mode=mode
-
- --flac-verify
-
- --flac-padding=n
-
- --flac-complevel=n
-
- --oggflac
-
- --speex-quality=n
-
- --speex-vbr
-
- --speex-abr=n
-
- --speex-vad
-
- --speex-dtx
-
- --speex-complexity=n
-
- --speex-nframes=n
- 出力モードやフォーマットを指定します。
Ogg FLAC 出力モードでは,別途 --flac-verify, --flac-padding,--flac-complevel,--oggflac オプションにより,それぞれ元波形とのべリファイ(圧縮速度が少し遅くなる), ファイルヘッダのパディング長(デフォルトでは4096),0 から 8 までの圧縮レベル(デフォルトでは5),OggFLAC ストリームで出 力を指定できます。
Ogg Speex 出力モードでは,別途 --speex-quality, --speex-vbr,--speex-abr,--speex-vad, --speex-dtx,--speex-complexity オプションにより,そ れぞれ0 から 10 までの圧縮品質(デフォルトでは 8), VBR で出力,レート n の ABR で出力,VAD(voice activity detection) で出力,DTX(discontinuous transmission) で出力,0 から 10 までの解析の複雑さ(デフォルトでは 3),0 から 10 まで のOgg パケット内のフレーム数(Speex の処理単位)(デフォルトでは 1) を指定できます。
以下の mode が有効です。
- -Od
- オーディオデバイスに出力します(デフォルト)。
- -Os
- ALSA オーディオデバイスに出力します。
- -Or
- ヘッダのないオーディオのデータ部分のみを出力します。下記のすべてのフォ ーマットオプションが使えます。一般的なフォーマットは以下の通りです。
- -Ou
- Sun Audio (au)ファイルを出力します。
- -Oa
- AIFF(Audio Interchange File Format) ファイルを出力します。
- -Ow
- RIFF WAVE ファイルを出力します。出力がシーケンシャルファイルだったり, TiMidity++ がファイルを閉じる前に中断された場合,ファイルヘッダは 0xffffffff の RIFF およびデータブロック長フィールドを含みます。著名なサ ウンド変換ユーティリティ sox は,そのような規格外のファイルを読めるので, 別フォーマットへのオンザフライ変換として,sox に直接データをパイプでき ます。
- -Ol
- MIDI イベントのリストを出力します。
- -OM
- MOD ファイルから MIDI ファイルに変換して出力します。
- -Oe
- EsounD
- -Op
- PortAudio
- -Oj
- JACK
- -OR
- aRts
- -OA
- Alib
- -Ov
- Ogg Vorbis
- -OF
- Ogg FLAC
- -OS
- Ogg Speex
- -OO
- libdao
- フォーマットオプション
- 上記オプションに続けて,以下の文字を追加することで出力フォーマットを指 定できます(複数可)。
- S, --output-stereo
- ステレオ
- M, --output-mono
- モノラル
- s, --output-signed
- 符合あり出力
- u, --output-unsigned
- 符合なし出力
- 1, --output-16bit
- 16 ビットサンプル精度
- 2, --output-24bit
- 24 ビットサンプル精度
- 8, --output-8bit
- 8 ビットサンプル精度
- l, --output-linear
- 線形符合化
- U, --output-ulaw
- μ-Law 符合化
- A, --output-alaw
- A-Law 符合化
- x, --[no-]output-swab
- バイト反転出力
一部のモードでは,指定しても効果がないオプションがあります。例えば,バ イト反転した RIFF WAVE ファイルを作ることはできませんし,μ-Law 出力は Linux PCM デバイスに対しては使用できません。
- -o file, --output-file=file
- 出力ファイル名を指定します。出力先がファイルでない場合はこのオプション は無視されます。file を `-' にすると標準出力に出力されます。
- -P file, --patch-file=file
- すべての楽器を file(パッチ) を用いて演奏します。
- -p [n](a)
-
- --polyphony=n
-
- --[no-]polyphony-reduction
- 最大同時発音数を n
にします。
さらに,-p オプションに `a' の文字を付加するか, --polyphony-reduction オプションを指定することにより,自動で発 音数の減少させることを可能にします。デフォルトでは有効です。 - -Q n[,...](t)
-
- --mute=n[,...]
-
- --temper-mute=n[,...]
- n
チャンネル目を演奏しないようにします。`,'
で区切って,複数のチ
ャンネルを指定することができます。n
に 0
を指定すると,すべ
てのチャンネルを演奏しないようにします。続けて,-n
を指定するこ
とにより,n
チャンネル目だけを演奏することができます。
一方,-Q オプションに `t' の文字を付加するか, --temper-mute オプションを指定することにより,音律種別 n をミュートします。n には,プリセット音律種別として 0 から 3 までの値を,ユーザ定義音律種別として 4 から 7 までの値を指定することができます。 - -q sec/n, --audio-buffer=sec/n
- オーディオ最大バッファを sec 秒,オーディオ開始バッファを n% にします。デフォルトでは 5.0/100 です。100% のサイズはデ バイスバッファサイズと等価です。
- -R msec
- エンベロープリリースを msec に修正して音響効果を得ます(疑似リバー ブ)。msec が 0 のとき,msec は 800 に設定されま す。
- -S n, --cache-size=n
- リサンプリングキャッシュの大きさをバイト数で指定します。頻繁に用いられ るサンプルは,あらかじめリサンプリングしておくことで高速化しています。 ただし,ビブラートやピッチベンドなどによってピッチが変化するサンプルは キャッシュされません。0 を指定すると,まったくキャッシュしません。 デフォルトでは n は 2097152 (2MB)となっています。
- -s freq, --sampling-freq=freq
- 再生サンプルレート(Hz または kHz)を指定します。
- -T n, --adjust-tempo=n
- テンポを n% に調節します。n を 120 にすると,MOD ファ イルを NTSC Amiga のタイミングで演奏します。
- -t code, --output-charset=code
- テキストの出力文字コードを指定します。以下の code が指定可能です (大文字小文字は区別されません)。
- -U, --[no-]unload-instruments
- このオプションを有効にすると,演奏ごとに毎回,パッチに割り当てられてい たメモリを解放します。
- -V power, --volume-curve=power
- ベロシティ/ボリューム/エクスプレッションカーブを amp=vol^power で power の値が 0 で自動,1 で線形,約 1.661 で理 想,約 2 で GS 設定となります。
- -v, --version
- TiMidity++ のバージョン情報を表示します。
- -W mode, --wrd=mode
- 入力ファイルの拡張子を
.WRD または .wrd
に変更したファイルが存在すれば,
それを WRD ファイル
として読み込み,そのコマンドと歌詞を表示します。
表示方法は以下の通りです。
- x
- X Window System を使用して,グラフィカルに WRD を表示します。
- w
- Windows コンソール上に WRD を表示します。
- t
- エスケープシーケンスを使用して,WRD に含まれる文字情報を表示します。
- d
- WRD のイベント情報をそのまま出力します。
- -
- WRD のトレースを行いません。
- R[opts]
- WRD 読み込み時の設定を行います。
- a1=b1,a2=b2,...
- WRD 読み込み時のオプションを指定します。an にオプション名, bn にその値が入ります。
- d=n
- @WAIT,@WMODE まわりの MIMPI のタイミングに関するバグをエミュレートしま す。以下のオプションでエミュレートレベルを変更できます。
なお,WRD はトレースモードで実行しないとタイミングが合いません。
- -w mode, --rcpcv-dll=mode
- Windows 用の拡張モードのオプションです。以下の mode が有効です。
- -w r
- rcpcv.dll を使用します。
- -w R
- rcpcv.dll を使用しません(デフォルト)。
- -x str, --config-string=str
- 指定した文字列で
TiMidity++
の設定を行います。str
の書式は timidity.cfg
と同じです。例えば
-x'bank 0\n0 violin.pat'
とすると 0 番で指定される音色ををバイオリンにすることができます。 -x に続く文字列中の `\' (ASCII 0x5c)は特別文字として扱われ,そ れ以降の文字(列)に対し,C 言語のリテラルと同様の展開が行われます。例え ば,`\n' は改行を意味します。
- -Z file, --freq-table=file
- 周波数テーブルを読み込みます。file に ``pure'' を指定すると,簡易 純正律で演奏します。
- -Zpure[n(m)], --pure-intonation=[n(m)]
- MIDI ファイルの Key Signature メタイベントに基づき,簡易的な純正律で演 奏します。MIDI ファイルに Key Signature メタイベントが含まれていない場 合は,初期の調性として n(m) を指定することで,正しい純正律演奏が 可能となります。n は調号の数で,♯(シャープ)の場合は正の数,♭(フ ラット)の場合は負の数を指定します。n には -7 から 7 までの値を指定することができます。さらに,短調の場合は `m' の文字を付加 します。
- --module=n
- 特定の音源モジュールの動作をできるだけ真似ます。今のところ,定義されて いる n の値は次のとおりです。
- 0
- TiMidity++ デフォルト
- 1
- Roland SC-55
- 2
- Roland SC-88
- 3
- Roland SC-88Pro
- 4
- Roland SC-8850
- 5-15
- GS 用にリザーブ
- 16
- YAMAHA MU-50
- 17
- YAMAHA MU-80
- 18
- YAMAHA MU-90
- 19
- YAMAHA MU-100
- 20-31
- XG 用にリザーブ
- 32
- SoundBlaster Live!
- 33
- SoundBlaster Audigy
- 34-111
- 任意の音源モジュール用にリザーブ
- 112
- TiMidity++ スペシャル 1
- 113-126
- TiMidity++ 特定目的用にリザーブ
- 127
- TiMidity++ デバッグ
関連項目¶
lsmidiprog(1), mididump(1), patinfo(1), sf2text(1), wav2pat(1), timidity.cfg(5)
著作権¶
Copyright (C) 1999-2004 Masanao Izumo <iz@onicos.co.jp>
Copyright (C) 1995 Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi>
The original version was developed by Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi> until the release of TiMidity-0.2i. His development was discontinued because of his being busy with work.
This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or (at your option) any later version.
This program is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU General Public License for more details.
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入手元¶
TiMidity++ は 改良版 TiMidity のページ
で手に入ります。
バグ¶
小さな CPU-time-eating 獣よりも CPU time を喰う。
著者¶
- Version 0.2i and earlier:
- Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi>
Vincent Pagel <pagel@loria.fr>
Takashi Iwai <tiwai@suse.de>
Davide Moretti <dave@rimini.com>
Chi Ming HUNG <cmhung@insti.physics.sunysb.edu>
Riccardo Facchetti <riccardo@cdc8g5.cdc.polimi.it> - TiMidity++:
- 出雲正尚 (IZUMO Masanao) <iz@onicos.co.jp>
原田智和 (HARADA Tomokazu) <harada@prince.pe.u-tokyo.ac.jp>
山手圭一郎 (YAMATE Keiichirou) <keiich-y@is.aist-nara.ac.jp>
木竜雅樹 (KIRYU Masaki) <mkiryu@usa.net>
青木大輔 (AOKI Daisuke) <dai@y7.net>
松本庄司 (MATSUMOTO Shoji) <shom@i.h.kyoto-u.ac.jp>
小柳雅明 (KOYANAGI Masaaki) <koyanagi@okilab.oki.co.jp>
今井邦彦 (IMAI Kunihiko) <imai@leo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp>
野上貴哉 (NOGAMI Takaya) <t-nogami@happy.email.ne.jp>
渡辺尊紀 (WATANABE Takanori) <takawata@shidahara1.planet.kobe-u.ac.jp>
竹川視野 (TAKEKAWA Hiroshi) <sian@big.or.jp>
長野大介 (NAGANO Daisuke) <breeze.nagano@nifty.ne.jp>
木下浩介 (KINOSHITA Kosuke) <kino@krhm.jvc-victor.co.jp>
重村法克 (SHIGEMURA Norikatsu) <nork@ninth-nine.com>
山幡為佐久 (YAMAHATA Isaku) <yamahata@kusm.kyoto-u.ac.jp>
荒井良重 (ARAI Yoshishige) <ryo2@on.rim.or.jp>
Glenn Trigg <ggt@netspace.net.au>
Tim Allen <thristian@usa.net>
Michael Haardt <michael@moria.de>
Eric A. Welsh <ewelsh@ccb.wustl.edu>
Paolo Bonzini <bonzini@gnu.org>
木本雅彦 (KIMOTO Masahiko) <kimoto@ohnolab.org>
岩井隆 (IWAI Takashi) <tiwai@suse.de>
Saito <saito2@digitalme.com>
佐藤研太郎 (SATO Kentaro) <kentaro@ps.catv.ne.jp>
田向正一 (TAMUKI Shoichi) <tamuki@linet.gr.jp>
卜部昌平 (URABE Shohei) <root@mput.dip.jp>
末永圭司 (SUENAGA Keishi) <s_keishi@mutt.freemail.ne.jp>
SUZUKI Koji <k@kekyo.net>
(敬称略・順不同)
これ以外にも,TiMidity++ メーリングリストの皆様をはじめ多くの方か ら情報,バグ報告などを頂いています。
WRDで使用される端末ターミナルエミュレーションのコードは X Consotium 等の kterm のコードの一部を取り込み,またそれを参考に実装を行いました。
和訳は松本庄司(MATSUMOTO Shoji <shom@i.h.kyoto-u.ac.jp>)。この和訳は正 確かどうかは保証できません。あなたがこの和訳の使用でいかなる損害を受け ても責任は持ちません。
TiMidity++
のオプション,cfg
ファイルの解説は出雲正尚(IZUMO
Masanao <iz@onicos.co.jp>)が,
その nroff
化,およびマニュアルのリライトは長野大介(NAGANO
Daisuke
<breeze.nagano@nifty.ne.jp>)が行いました。
現在は,田向正一(TAMUKI Shoichi <tamuki@linet.gr.jp>)と卜部昌平(URABE Shohei <root@mput.dip.jp>)が,マニュアルをメンテナンスしています。
2004年04月25日 | 2.13.0 |