MQ_OPEN(3) | Linux Programmer's Manual | MQ_OPEN(3) |
名前¶
mq_open - メッセージキューをオープンする
書式¶
#include <fcntl.h> /* For O_* constants */ #include <sys/stat.h> /* For mode constants */ #include <mqueue.h> mqd_t mq_open(const char *name, int oflag); mqd_t mq_open(const char *name, int oflag, mode_t mode, struct mq_attr *attr);
-lrt でリンクする。
説明¶
mq_open() は、新しい POSIX メッセージキューを作成するか、既存のキューを オープンする。キューは name で識別される。 name の構成の詳細については mq_overview (7) を参照。
oflag 引き数には、関数呼び出しの操作を制御するフラグを指定する (oflag の値の定義は <fcntl.h> のインクルードにより得られる)。 oflag には、以下のうちいずれか一つを必ず指定しなければならない。
- O_RDONLY
- メッセージの受信専用としてキューをオープンする。
- O_WRONLY
- メッセージの送信専用としてキューをオープンする。
- O_RDWR
- メッセージの送受信両用としてキューをオープンする。
0 個以上の下記のフラグを、ビット単位の OR (論理和) で oflag に追加で指定できる。
- O_CLOEXEC (Linux 2.6.26 以降)
- メッセージキュー記述子に close-on-exec フラグをセットする。 なぜこのフラグが有用かについての議論は open(2) を参照。
- O_CREAT
- 存在しない場合、メッセージキューを作成する。 メッセージキューの所有者 (ユーザー ID) とグループ所有権 (グループ ID) は、 それぞれ呼び出し元プロセスの実効ユーザー ID と実効グループ ID に設定される。
- O_EXCL
- O_CREAT が oflag に指定され、かつ指定された名前 name を持つキューがすでに存在する場合、エラー EEXIST で失敗する。
- O_NONBLOCK
- 非停止 (nonblocking) モードでキューをオープンする。 mq_receive(3) と mq_send(3) は、通常は停止 (block) する状況において、エラー EAGAIN で失敗するようになる。
oflag に O_CREAT を指定する場合、追加で 2つの引き数を与える必要がある。 mode 引き数は、新しいキューに適用される許可設定 (permission) を、 open(2) と同じように指定する (許可ビットのシンボル定義は <sys/stat.h> のインクルードにより得られる)。 許可設定はプロセスの umask でマスクされる。
attr 引き数は、キューの属性を指定する。詳細は、 mq_getattr(3) を参照。 attr が NULL の場合、キューは実装で定義されたデフォルト属性で作成される。 Linux 3.5 以降では、2 つの /proc ファイルがあり、これらのデフォルト値を制御できる。 詳細は mq_overview(7) を参照。
返り値¶
成功すると、 mq_open() はメッセージキュー記述子 (message queue descriptor) を返す。 メッセージキュー記述子は他のメッセージキュー関連の関数で使用される。 エラーの場合、 mq_open() は (mqd_t) -1 を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。
エラー¶
- EACCES
- キューは存在するが、呼び出し元が指定されたモードでそのキュー をオープンする許可を持たない。
- EACCES
- name にスラッシュが 2 個以上含まれていた。
- EEXIST
- oflag に O_CREAT と O_EXCL の両方が指定されたが、指定された名前 name を持つキューがすでに存在する。
- EINVAL
- oflag に O_CREAT が指定され、かつ attr が NULL 以外だが、 attr->mq_maxmsg か attr->mq_msqsize が不正であった。 これらのフィールドは両方とも 0 より大きくなければならない。 プロセスが特権を持たない (CAP_SYS_RESOURCE ケーパビリティを持たない) 場合、 attr->mq_maxmsg と attr->mq_msgsize は、それぞれ上限 msg_max、 msgsize_max 以下でなければならない。 また、特権プロセスの場合でも、 attr->mq_maxmsg は HARD_MAX 上限を超えることはできない。 (これらの上限に関する詳細は mq_overview(7) を参照。)
- EMFILE
- そのプロセスがオープンしているファイルとメッセージキューの数が プロセス毎の上限に達している。
- ENAMETOOLONG
- name が長過ぎる。
- ENFILE
- システム全体でオープンしているファイルとメッセージキューの合計数が システム上限に達している。
- ENOENT
- O_CREAT フラグが oflag に指定されなかったが、指定された名前 name を持つキューが存在しない。
- ENOENT
- name が "/" だけで、その後ろに他の文字が続いていなかった。
- ENOMEM
- 十分なメモリーがない。
- ENOSPC
- 新しいメッセージキューを作成するのに十分な空間がない。 このエラーはおそらく queues_max 上限に抵触したため起こったのだろう。 mq_overview(7) を参照。
属性¶
マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)¶
関数 mq_open() はスレッドセーフである。
準拠¶
POSIX.1-2001.
バグ¶
2.6.14 より前のカーネルには、 プロセスの umask が mode で指定された許可設定に適用されなかった。
関連項目¶
mq_close(3), mq_getattr(3), mq_notify(3), mq_receive(3), mq_send(3), mq_unlink(3), mq_overview(7)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2014-12-31 | Linux |