MKVEXTRACT(1) | 利用者命令 | MKVEXTRACT(1) |
名前¶
mkvextract - Matroskaファイルから、他の形式のファイルを抽出する
書式¶
mkvextract {原ファイル名} {モード1} [オプション...] [抽出仕様1] [モード2] [オプション...] [抽出仕様2] [...]
説明¶
このプログラムはMatroskaファイルから特定部分を抽出して他の利便な形式に書き出します。第1引数は抽出する対象のファイル名であり、Matroskaファイルでなくてはなりません。
残りの全引数はそれぞれ、特定の抽出モードに切り替えるか、現行で有効なモードのオプションを変更するか、または抽出する内容と書き出し先のファイルを指定します。mkvextractの同一呼出し内で複数のモードが利用でき、一度の実行で複数種類の内容を抽出できます。ほとんどのオプションは特定のモードでしか利用できませんが、いくつかのオプションは全てのモードに適用できます。
現在次の抽出に対応しています。トラック・標識・附属品・楽章・CUE用紙・時刻印および演奏指令。
共通オプション¶
以下のオプションは全てのモードで利用可能であり、この節で一度だけ説明します。
-f, --parse-fully
--command-line-charset 文字集合
--output-charset 文字集合
-r, --redirect-outputファイル名
--flush-on-close
--ui-language 符号
--abort-on-warnings
--debug 機能
--engage 機能
--gui-mode
-v, --verbose
-h, --help
-V, --version
@オプションファイル.json
トラック抽出モード¶
構文: mkvextract 対象ファイル名 tracks [オプション] TID1:宛先ファイル名1 [TID2:宛先ファイル名2 ...]
以下の命令行オプションは 'tracks' 抽出モードにおける各トラックごとに利用可能です。これらのオプションは適用先のトラック指定(後述)の前に存在する必要があります。
-c 文字集合
--blockadd 水準
--cuesheet
--raw
--fullraw
TID:出力名
各出力ファイル名は一度しか使用されません。RealAudio及びRealVideoトラックは例外です。異なるトラックに同じファイル名が指定された場合は、同一のファイルに保存されます。例:
$ mkvextract input.mkv tracks 0:video.h264 2:output-two-vobsub-tracks.idx 3:output-two-vobsub-tracks.idx
添付ファイル抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 附属品 [オプション] AID1:出力名1 [AID2:出力名2 ...]
AID:出力名
楽章抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 楽章 [オプション] 出力ファイル名.xml
-s, --simple
--simple-language 言語
このオプションを用いることで、素片が複数の楽章名を含んでいた場合にどの楽章を出力するか定めることができます。言語属性はJIS X 0412-1またはJIS X 0412-2に存在していなくてはなりません。
楽章は指定した出力ファイルに書き込まれます。既定ではmkvmerge(1)が理解できるXML形式が用いられます。ファイル中に楽章が見付からなかった場合、出力ファイルを生成しません。
標識抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 標識 [オプション] 出力ファイル名.xml
標識は指定した出力ファイルに、mkvmerge(1)が理解できるXML形式で書き込まれます。ファイル中に標識が見付からなかった場合、出力ファイルを生成しません。
演奏指令用紙抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 演奏指令用紙 [オプション] 出力ファイル名.cue
演奏指令用紙を指定した出力ファイルに書き込みます。ファイル中に楽章や標識が見付からなかった場合、出力ファイルを生成しません。
時刻印抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 時刻印v2 [オプション] TID1:宛先ファイル名1 [TID2:宛先ファイル名2 ...]
TID:出力名
例:
$ mkvextract input.mkv timestamps_v2 1:ts-track1.txt 2:ts-track2.txt
演奏指令抽出モード¶
構文: mkvextract 原ファイル名 演奏指令 [オプション] TID1:宛先ファイル名1 [TID2:宛先ファイル名2 ...]
TID:宛先ファイル名
出力形式は単純な文章形式です: 一行はCuePoint要素とkey=valueの組ごとに成ります。任意要素(例: CueDuration)がCuePointに表われなかった場合、値として連字符を出力します。
例:
timestamp=00:00:13.305000000 duration=- cluster_position=757741 relative_position=11
指定できる予約語は次の通りです。
時刻印
演奏時間
群団位置
注記
Matroskaファイルの内部では、CueClusterPositionは余白開始位置の区分情報に相当します。mkvextract(1)の演奏指令抽出モードで出力する値は、しかしながら、その余白を既に加味しており、ファイル冒頭からの絶対バイト位置を表わします。
相対位置
注記
Matroskaファイルの内部では、CueClusterPositionは群団のデータ開始位置に依存します。mkvextract(1)の演奏指令抽出モードで出力する値は、しかしながら、群団識別子に依存します。ファイル内部の絶対位置は、群団位置と相対位置を足し合わせて計算できます。
例:
$ mkvextract input.mkv cues 1:cues-track1.txt 2:cues-track2.txt
例¶
楽章および標識を各々のXML形式で同時に抽出する:
$ mkvextract movie.mkv chapters movie-chapters.xml tags movie-tags.xml
複数のトラックと各々の時刻印を同時に抽出する:
$ mkvextract "Another Movie.mkv" tracks 0:video.h265 "1:main audio.aac" "2:director's comments.aac" timestamps_v2 "0:timestamps video.txt" "1:timestamps main audio.txt" "2:timestamps director's comments.txt"
楽章をOgg/OGM形式で抽出し、文章字幕トラックを別の文字集合に再符号化します:
$ mkvextract "My Movie.mkv" chapters --simple "My Chapters.txt" tracks -c MS-ANSI "2:My Subtitles.srt"
文章ファイルと文字集合変換¶
MKVToolNix一式の全ての操作機が文字集合変換、入出力、命令行、操作卓上の文字集合をどのように処理するかについての詳細な議論については、mkvmerge(1)の便覧にある同名の節をご覧ください。
出力ファイル形式¶
出力ファイルの形式の決定はトラック種類に基いており、出力ファイル名の拡張子には基づいていません。現在対応しているトラック種別は次の通りです:
A_AAC/MPEG2/*, A_AAC/MPEG4/*, A_AAC
A_AC3, A_EAC3
A_ALAC
A_DTS
A_FLAC
A_MPEG/L2
A_MPEG/L3
A_OPUS
A_PCM/INT/LIT、A_PCM/INT/BIG
A_REAL/*
A_TRUEHD、A_MLP
A_TTA1
A_VORBIS
A_WAVPACK4
S_HDMV/PGS
S_HDMV/TEXTST
S_KATE
S_TEXT/SSA、S_TEXT/ASS、S_SSA、S_ASS
S_TEXT/UTF8、S_TEXT/ASCII
S_VOBSUB
S_TEXT/USF
S_TEXT/WEBVTT
V_MPEG1、V_MPEG2
V_MPEG4/ISO/AVC
V_MPEG4/ISO/HEVC
V_MS/VFW/FOURCC
V_REAL/*
V_THEORA
V_VP8、V_VP9
標識
添付ファイル
楽章
時刻印
終了番号¶
mkvextract(1)が返す終了番号には3種類あります:
環境変数¶
mkvpropedit(1)は機構の地域特性を決める既定変数(例:LANGやLC_*系列)を使用します。追加の変数:
MKVEXTRACT_DEBUG、MKVTOOLNIX_DEBUGとその省略形MTX_DEBUG
MKVEXTRACT_ENGAGE, MKVTOOLNIX_ENGAGEとその短縮形MTX_ENGAGE
関連項目¶
ウェブ¶
最新版は常にMKVToolNixの拠点[1]で入手できます。
著者¶
Bunkus Moritz[FAMILY Given] <moritz@bunkus.org>
注記¶
- 1.
- MKVToolNixの拠点
2024-09-07 | MKVToolNix 87.0 |